VISIONだからできたことがある!

「海外アーティストも呼べない箱だと、ワクワク感や感動が生まれないと思っています。だからこそ、諦めずにVISIONに代わる1000人規模の物件を必死に探しているんです。かつて、Travis Scott(トラヴィス・スコット)やA$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)といった海外の大物ラッパーがVISIONに来日してくれたのも、ストリートカルチャーらしいクールでイケてる雰囲気があったからこそだと。そう感じているんですよ。

VISIONはVIPルームで売上を立てようとせずに、常に『かっこいいクラブを作りたい』という一心を持って運営してきました。また、来店するお客様がフランクに楽しめる社交場を提供し、クラブでしかできない遊び方を提案してきたんです。一刻も早くいい物件を見つけて、VISIONでやってきたようなイベントを開催できるようにしたいですね」

刻一刻と迫るVISIONの最終営業日。泣いても笑っても、最後は飛びきり最高のイベントを作りたい。

VISION立ち上げから関わってきた乗田氏にとって、その思いはひとしおに違いない。

約11年間にわたる営業の幕切れを飾る“ラストダンス(最後のイベント)”は「VISIONでお世話になったアーティストを大集結させ、後にも先にも思い出に残るようなイベントを開催したいと思っています」(乗田氏)

渋谷のクラブシーンにおいて、確実に一時代を築いてきたVISION。その歴史に幕を降ろしたとしても、ここで生まれた数々の思い出は今後も語り継がれることだろう。

いつの日か、再びVISIONが復活するのを願って──。

取材・文/古田島大介

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