流行前から豚骨ラーメンで勝負していたお店の矜持

筆者は7月11日のお昼に食べ納めで店を訪れた。11時40分着で炎天下の中18人並んでいた。ここ近年はなかなか行列はできていなかったが閉店のニュースを聞いて多くのファンが集まっている。

さらば「千石自慢らーめん」! 背脂ラーメンの横綱が34年の歴史に幕_3

店の前には閉店の案内と感謝の言葉がポスターで貼られていた。

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さらば「千石自慢らーめん」! 背脂ラーメンの横綱が34年の歴史に幕_5

ずっと気づかなかったが、看板をよく見ると「SHOW YOU TONKOTSU」と書いてある。

さらば「千石自慢らーめん」! 背脂ラーメンの横綱が34年の歴史に幕_6

「醤油豚骨」と掛けて作られたスローガンだと思われるが、東京で豚骨ラーメンが流行る前からこのラーメンを出していた「千石自慢らーめん」の強い志の見える言葉だ。このラーメンを食べて豚骨や背脂の美味しさを知った人も多かっただろう。

食べ終えて店を出る時、ファンたちが口々に「お世話になりました」「長い間お疲れさまでした」と声を掛ける。

営業はあと半月。34年の歴史についに幕が下りる。

取材・文・撮影/井手隊長