コエンザイムQ10は「肉類・魚類」から効率的に摂れる

コエンザイムQ10を食事から摂取するなら、どんな献立がおすすめなのか。ここからは、和洋女子大学家政学部健康栄養学科の鈴木敏和先生が教えてくれた。

「コエンザイムQ10は体内で生産されていますが、食事からも摂取しないと減少してしまうような成分です。よって25〜40%は食事から摂取するのが望ましいといわれています。

コエンザイムQ10の摂取目標は定められておりません。しかし日本人の食習慣であれば、1日あたり5mgのコエンザイムQ10を食品から摂取可能であるというのが通説です」(鈴木先生)

コエンザイムQ10を効率よく摂取できるのは、豚肉や牛肉、鶏肉といった肉類や、ニシン、ニジマスなどの魚類など。またゴマ油などの油分にも含まれている。これらの食材を積極的に食べて、酷暑が続く季節を乗り切りたい。

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2022年7月4日~7月8日にタニタ食堂にて提供された、和洋女子大学鈴木研究室監修のメニュー

気になる血中コエンザイムQ10濃度は? 検査ツールも登場

疲労が続く人は、自身の血中コエンザイムQ10濃度が気になるだろう。最後に登壇した株式会社マイクロブラッドサイエンスの西村知晃さんが、提供している検査ツールを紹介した。

「当社の提供する『MBSキャピラリー』は、指先から数滴の血液が採取できるツールです。受検者自身で血液の採取が簡単に行えます。またほんの少しの血液だけで、通常の腕からの採血と同等の検査精度を実現しています」(西村さん)

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セミナー終了後には、このMBSキャピラリーを使って参加者の血中コエンザイムQ10濃度を測れるコーナーが設けられた。疲労に困っている私もさっそく参加。

自分用の測定キットが配布される。中身はMBSキャピラリーやアルコール不織布、絆創膏など。

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コエンザイムQ10濃度を測る検査ツール

採血方法は簡単。MBSキャピラリーのキャップを取って指先にその先端を当て、自分のタイミングでボタンを押すだけ。小さな傷から出た血液を、MBSキャピラリーに採取したら終了だ。何気なくボタンを押したら、「バン!」という小さな衝撃とともに針が指先を突いたので少し驚いた。

対応を担当してくれた臨床検査技師によると、「通常の採血は医療行為なので医師のオーダーが必要ですが、検査ツールなら『自傷行為』に当たるので医師の許可が不要」とのこと。この結果結果は「Lifee」というアプリから10日程度で届くそうだ。


コロナ後遺症や疲労感などの軽減に困ったら、コエンザイムQ10に着目してみるのもよいかもしれない。何より重要なのは、自身の体調に目を向けて健康的な生活を送ること。「健康は一日にしてならず」である。

取材・文/金指 歩