集客の起爆剤は?
集客は、WEリーグ1年目の大きな課題となった。1試合平均5,000人を目指したが、実際は約1,560人にとどまっている。実力と人気を兼ね備えたスター選手の台頭や、知名度のある外国人選手の獲得などが期待されているが、地域密着の実現や、スタジアムに足を運びたくなるような施策、そしてそれらを広めるメディアの力も必要だ。
――スペインでは、バルセロナの女子が4月にカンプ・ノウで開催したレアル・マドリード戦で9万1648人の観客を集めたことが話題になりました。どのようにご覧になりましたか?
私はアメリカ在住ですが、(女子サッカー人口が世界一の)アメリカでさえ、女子スポーツは男子に比べて観客数が少なく感じます。ヨーロッパはサッカーに対する国民の関心度が日本とは違うので、9万人は突拍子もない数字だと思いますが、女子にこれだけポテンシャルがあるということがわかり、勇気づけられましたね。
――ただ、それに比べるとWEリーグの観客数の寂しさが目立ちます。リーグ全体のプロモーション面で物足りなさも感じます。
各クラブと集客のアイデアを考える建設的な議論をしていきたいです。実行委員会では、もっと集客についての意見交換に時間を費やしていきたいと思っています。マーケティングやプロモーション専門の方にゲストスピーカーとしてきていただき、客観的な立場での意見をもらうことも考えています。
また、WEリーグには300人の選手がいて、300人分のストーリーがあるわけですから、それを発信していきたいですね。メディアに取り上げていただくためにも、今後は、リーグ全体のプレー強度や、スタッツなどを開示していきたいと考えています。
――それはぜひ、お願いします。現在は1試合平均5,000人以上の目標を掲げていますが、その目標は来季も変わらないのですか?
はい、目標は高い方がいいですから。スタジアムによっても損益分岐点は変わりますが、その数字を目標にしています。W杯優勝直後には平均5,000人以上入っていたチームもある(※神戸が2011年に1試合平均8,871人、2012年に同6,300人を達成した)ので、不可能ではないと思っています。
今はいろいろなアイデアを考えていて、様々な来場特典などを設けるのもいいのではないかと思っています。そうすれば、サッカーを見たことがないライト層でも、詳しい方に教えてもらいながら観戦すれば、またリピーターになってくれるのではないかなと。