「往路は勝つかもしれない」花田監督が語っていた箱根の死角

もっとも、全日本での圧勝が、そのまま箱根駅伝での優勝を保証するわけではない。

実は花田勝彦監督は、駅伝シーズン開幕前の集英社オンラインのインタビューで、箱根駅伝への不安を率直に語っていた。

出雲と全日本については優勝のチャンスがあるとしながらも、箱根については「まだまだ非常に厳しい」と説明。その理由として、どんな条件でも安定して走れる選手を10人そろえる必要があることを挙げていた。

さらに、当時の戦力について次のようにも語っている。

「うまく並べれば、現状でも、先頭に立つ場面もあると思いますし、ひょっとしたら往路は勝つかもしれません。でも、最後に勝てるかというと、まだそこは読めません」

箱根駅伝は往復10区間、総距離217.1キロで争われる。出雲の6区間、全日本の8区間とは異なり、10人すべてが長距離を走り切らなければならない。

しかも、山上りの5区、山下りの6区という特殊区間もある。スピードのある選手をそろえるだけでは勝てない大会なのだ。

全日本2区で区間新記録を樹立し、箱根では4区が噂されるスーパールーキー・増子陽太(1年) 撮影/和田悟志
全日本2区で区間新記録を樹立し、箱根では4区が噂されるスーパールーキー・増子陽太(1年) 撮影/和田悟志

今年1月の箱根駅伝で早稲田は総合4位だったが、往路の健闘に比べ、復路では取りこぼしもあった。

ただ、今回の全日本で見せた走りは、こうした不安を払拭する可能性も感じさせた。

出雲、全日本を現地で取材した和田さんは、箱根に向けた選手層についてこう分析する。

「さすがに"圧倒的な個"が10人がいるというわけではないですが、今いる6人ないし7人で、どこまで貯金を作れるかというのが1つのポイントになってくると思います。今回、堀野選手や主将の小平選手がきっちり安定して走れているのも好材料です」

つまり、往路で圧倒的なリードを奪うことができれば、復路で多少の取りこぼしがあったとしても逃げ切れる可能性がある。