ハンバーグやチキンに使う食材の調達コスト上昇が利益を圧迫

「ミラノ風ドリア」は税込300円から税込320円、税込400円のメニューは税込420円~430円程度に引き上げられる。本格的な値上げは、1999年の上場以来初めてとされる。

2020年には会計時の接触時間を短縮するため、税込価格を端数のない金額に変更し、多くのメニューで実質的な値上げが行われたが、今回のような広範な価格改定は異例だ。

サイゼリヤの人気メニュー「ミラノ風ドリア」も300円から320円についに値上げ(写真/読者提供)
サイゼリヤの人気メニュー「ミラノ風ドリア」も300円から320円についに値上げ(写真/読者提供)
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サイゼリヤは2022年に松谷秀治社長が「値上げしない」と宣言。店舗作業を秒単位で効率化する仕組みづくりやメニュー点数の絞り込み、モバイルオーダー・セルフレジの導入などで徹底的な経費削減策を進めてきた。

そうした企業努力が、物価高に対して限界を迎えたことになる。

国内店舗を中心とするサイゼリヤの単体業績を見ると、2026年8月期の売上原価率は48.3%だった。前年と比較して2.4ポイント上昇している。単体の営業利益は前年と比較すると約20%増加しているものの、会社の計画を25%以上下回った。

売上高は計画を約0.3%、売上総利益は約2.1%下回った。一方、販管費はおおむね計画内に収まっている。金額にすると、売上総利益は計画を約22億円下回り、営業利益も計画に約21億円届かなかった。

売上高に対する粗利益の下振れは小さくても、利益率の低いビジネスでは営業利益に大きな影響が出る。今回の決算は、低価格を維持するサイゼリヤの収益構造の厳しさを浮き彫りにした。

サイゼリヤはハンバーグやチキンの価格上昇が原価を押し上げた要因になったと説明している。サイゼリヤのハンバーグは、主にオーストラリア産の牛肉が使われているが、オーストラリアでは2026年前半に肉牛の取引価格が上昇した。アメリカ産の供給減などを受けて、買付競争が激化したためだ。

鶏肉についても、円安や需要の増加などを背景に価格が上昇している。ブラジルで発生した鳥インフルエンザは輸入に一時的な影響を及ぼし、農林水産省の調査によると、2026年8月上旬の国内の鶏もも肉の平均小売価格は100グラム当たり156円と、2003年の調査開始以来の最高値を記録した。

国内の利益率改善が求められる中、海外の収益基盤にも変化が生じている。アジア事業、とりわけ中国市場での収益性の低下だ。