乱立する地方都市のスーパー

カスミの地盤である茨城県も競合店による顧客の争奪戦が激しい。

茨城県ひたちなか市では、2026年4月22日に『生鮮市場TOPひたちなか店』、6月26日に「ヨークベニマル馬渡店」が相次いでオープンした。「フードスクエアカスミ 馬渡店」の競合となる店舗だ。

同市には「MEGAドン・キホーテ勝田店」や、トライアルの中型店「トライアルboxひたちなか店」もある。


「安さを売りにする大型店」のMEGA・ドン・キホーテは食品スーパーとの競争を強めている ※写真は渋谷本店(写真/shutterstock)

「安さを売りにする大型店」のMEGA・ドン・キホーテは食品スーパーとの競争を強めている ※写真は渋谷本店(写真/shutterstock)

カスミも手をこまねいているわけではない。2026年5月22日には、グループのセイブが営業していた「セイブ食彩館那珂湊店」を「カスミ神敷台店」としてオープンした。

同店では、石川養鶏の卵「たまご(赤玉)」、わたなべ製麺所の焼きそば「わたなべのじゅーじゅー焼そば」、黒澤醤油「醤蔵(ひしおぐら)」といった旧セイブ時代から地域住民に親しまれてきた地域商品の取り扱いを継続。惣菜や生鮮食品の品ぞろえも充実させる方針を示している。

地域住民の普段の買い物先としての役割を維持しつつ、カスミの商品力や運営力を生かす取り組みといえる。地域性の維持と、グループとしての運営効率化をどう両立するかが課題だ。

U.S.M.Hは100店舗の閉鎖に当たり、店舗の老朽化や人口動態などを考慮すると説明している。一方、競合各社は地方都市や郊外でも出店を続けている。

地方・郊外に需要がなくなったというよりも、限られた需要を巡る競争が厳しくなっているのだろう。地域密着という強みに、価格や品ぞろえ、食事の提案力をどう重ねていくかが問われている。