「使用済みのおむつがパンパンに入っていた」
「効果を感じたのは最初の2、3週間だけですね」
渋谷駅近くの商業施設で7年間働く70代の警備員Aさんは、新しい制度が始まってからの変化をそう振り返った。
「制度が始まった直後は、ポイ捨てが一時的に減ったんですよ。でも、みんな慣れてしまったのか、今でも裏道に行けば、またゴミがポンポン置かれています」
区は1日最大60人の巡回員が24時間365日、区内全域を回るとしている。ポイ捨てを現認すれば、その場で2000円の過料を科す仕組みだ。区が9月24日に公表した6月から8月までの過料処分は計963件に上る。
だが、Aさんは、その巡回員にも「なかなか出会いません」と話す。
「区の面積に対して人数が少ないのではないでしょうか。路上喫煙を注意されている人は見たことがありますが、ポイ捨てを指導されている場面は、まだほとんど見かけません」
渋谷区では、今年6月に始まったポイ捨てへの過料とは別に、2019年7月から路上喫煙者にも2000円の過料を科している。
今回の制度で負担が増えたのは、ポイ捨てをする人への過料に加え、渋谷、原宿、恵比寿の対象エリアでは、飲食料品を販売する店舗などにごみ箱の設置が義務づけられた。区によると、7月末までに約1200店舗を調べ、約380店舗に設置や管理について指導。設置率は91%に達している。
渋谷区内でテイクアウト可能な飲食店を経営する40代の男性Bさんも、義務化を受けて店にごみ箱を置いた。ある日、中を見て驚いたという。
「使用済みのおむつがパンパンに入っていたんです。さすがに驚きましたね」
店の商品とは関係のないごみだった。Bさんは、捨てた人の気持ちも分からなくはないと話す。
「街にゴミ箱が少ないから、ちょうど見つけたところに捨てたくなる気持ちも分かります。それでも、飲食店のゴミ箱だけで受け止めるのは難しいので、店以外にも捨てられる場所を増やしてほしいです」
そう訴えた後、「渋谷はいろんな人が来る街ですし、ある程度は仕方ないのかな」とも漏らしていた。
なお、渋谷区によれば、対象店舗に回収義務があるのは「その店舗が販売した飲食料から発生するごみ」で、使用済みおむつなど店の商品と無関係なごみまで受け入れる義務はない。













