“心の安心”を求めて辿り着いた「資産約2億円FIRE」
YouTuberとして順調に歩み始めた一方で、内心はというと……。
「大きな収入が入るようになっても、『こんな生活がずっと続くわけがない』という恐怖はずっとありました。YouTuberは水商売ですから。公務員という一生安泰の道を自分の意志で捨てて、真逆の世界に来たからこそ、『この不安を消すにはどうすればいいのか』を必死で考え続けたんです。
派手に散財して見栄を張るよりも、いつ仕事がゼロになっても生きていける基盤を作ることのほうが、僕にとっては遥かに大切でした」
とはいえ、当時は「銀行口座への貯金」をしていたのみ。「投資」という言葉には、どこか危険なギャンブルという偏見すら抱いていたという。
「そんなころに、たまたまYouTubeのおすすめにお金の知識や投資について解説する『両学長 リベラルアーツ大学』(チャンネル登録者数966万人)の動画が流れてきたんです。
それを見てFIREという概念を知って、衝撃を受けました。投資って一攫千金を狙う危険なものばかりじゃなくて、健全に、着実に資産を築いていく方法があるんだと。そこから夢中になって動画を見て勉強を始めました」
元手が貯まっていたことも、投資を始める大きなきっかけになった。
「動画を見て『へえ、すごいな』で終わる人も多いと思うんですけど、現実的に『これなら本当にFIREを目指せるんじゃないか』と直結したんですよね。
それで、米国のS&P500インデックス投資を始めました。個別株をずっと張りついて監視するのも性格的に向いてないし、本業に集中しながら勝手に働いてくれるというのが、僕に合っている方法かなと思ったんです」
YouTubeで得た収入を元手に資産形成を進め、株式だけでなく米国社債などにも投資してきたこーくん。20代で約2億円の運用資産を築き、FIREの達成を公表した。しかし、投資を振り返って意外な後悔を口にする。
「S&P500の過去5年のチャートを見ていると、ものすごく伸びているじゃないですか。だから『YouTubeを始める前の、月5万のバイト時代から毎月数千円でも投資に回しておけばよかった!』って心底思います。まとまった資産がなくても、早く始めることこそが大事だったんだなって実感しています」
大金を手にしても浮かれずに資産を築き上げたこーくんにとって「お金」とは?
「精神的な安心材料ですかね。口座にお金がないと思って焦って暮らすよりも、ある程度余裕があったほうが人に優しくなれるし、物事を柔軟に考えられる。仮にYouTubeがダメになってもまあいいかって思える心の余裕があるからこそ、新しい挑戦もできるんです」
資産を築くことは、チャレンジし続けるための手段でもあったようだ。
取材・文/髙木章圭
(写真/廣瀬靖士)













