高3で不登校に…大学受験で気がついた自分の弱点
たまごあゆみさんは、まさにうずらの卵のような小顔が特徴的だ。都内中高一貫校から早稲田大学文学部に進学し、英文学を専攻した彼女は、高校時代にも大学時代にも留学を経験している。
さぞ裕福な家庭で育ったのだろうと問えば、「とんでもない」と彼女ははにかむ。
「実家は都内にありますが、非常に裕福というわけではありません。ただありがたいことに、興味関心が向いたことはやらせてもらえました。特に教育への投資を惜しまない両親だったので、自由に学びたいものを学ばせてもらえました」(たまごさん、以下同)
あゆみさんは理解のある両親のもとで多くのことを学んだ。英語への興味は小学1年生のころからあり、英会話にも通わせてもらっていた。元来国語力にも自信があり、「中学受験もそこまで勉強せず、作文力で突破した」と笑う。だが大学受験は、彼女にとって苦痛以外の何物でもなかった。
「大学受験に際して自分の性格に気がついたのですが、私は単調な作業を繰り返していくのが非常に苦手らしいのです。毎日似たような問題を解き続け、勉強以外の娯楽は悪とされる受験期は、かなり精神的に追い込まれました。
高校3年生の最後の半年、抑うつ気味になって、不登校になったんです。受験生なのに家にこもって、特に勉強などもせずに『もう受験はやめて将来はネイリストになるんだ』などと言って家族を困らせていました。
第一志望は早稲田大学だったのですが、模試でA判定を取っても自分が受かるとは思えず、自暴自棄になっていました」
それでも「ダメ元」で受験し、早稲田大学からは無事に合格を勝ち取ったが、あゆみさんは思わぬ形で自らの弱点を認識することになった。
早稲田大学入学後は、複数のサークル活動を並行したが、バンカラな校風にありがちな”飲み”の洗礼を目の当たりにする。
「私がいたサークルの飲み会は、飲みがかなり激しかったと思います。幸い、入学当時に未成年だった私は、先輩から飲まされるようなことはありませんでした。ただ、高田馬場駅のロータリーで度数の高いお酒をあおっては吐くという文化の残るサークル内には、『お酒が強い人がサークルの役職につける』雰囲気があって、私はやや冷静に見ていました」
あゆみさんの「冷静」な分析はいかにも興味深い。
「私がいつも不思議だったのは、サークルという金銭の発生しない関係性の中で命を削るように飲む人たちでした。『飲み屋で働いている訳でもないのに、何でそんなに一生懸命になれるんだろう……』と思っていました(笑)」













