「一生安泰」のレールを降りてYouTuberへ

かつてYouTuber「なこなこカップル」として活動していたこーくん(28)。20代で資産約2億円を築いて「FIRE」達成を公表、SNSで大きな話題を呼んでいる。FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略で、資産形成などによって生活費を賄える経済的な自立を実現し、早期にリタイアするという考え方だ。

こーくんがかつて目指していたのは公務員である消防士だったという。

「高校までずっと野球をやっていて、身体を鍛えることも大好きでした。周りの友達にも消防士が何人かいて、仕事の話を聞く機会も多くて。親からも『大学まで行ったんだから、安定した道に進んでほしい』と言われていたので、消防士になれたら一番いいなと思って勉強していました」

こう振り返るこーくん。当時は、今のような人生はまったく想像していなかったという。

「親はリーマンショックや不況を経験していた世代なので、公務員になる道を勧めてくれたんだと思います。僕自身も、消防士になったら定年まで一生ここで頑張って働くんだろうなと思ってましたね」

まさに「一生安泰」のレールを歩んでいた彼に、転機が訪れる。大学在学中に趣味感覚で始めたTikTokのフォロワーが、10万人に達したのだ。

「それをきっかけにYouTubeにも挑戦してみることになりました。でも、それが仕事になるなんてまったく思ってなくて。公務員という安定の道から、YouTubeという先が見えない不安定な世界へ行くわけですから、正直、不安の方が大きかったと思います」

YouTubeに挑戦した当時の話をするこーくん(写真/廣瀬靖士)
YouTubeに挑戦した当時の話をするこーくん(写真/廣瀬靖士)
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周りの友人がスーツを着て就職活動をしている中、不確かな世界へ進むこーくんに、心配の声もあったという。

「友達からは『えっ、就活しなくて大丈夫なの?』ってすごく心配されました。それよりもすごかったのは、両親からの猛反対ですね(笑)。

高校も大学も私立に行かせてもらったので、両親が高い学費を払ってくれたのに就職しないなんて……。今になって、親の気持ちが痛いほど伝わります」

それでも、『チャレンジしたい』という気持ちが大きかった。だからといって、勢いだけで始めたわけではない。

「公務員試験って、30歳まで※受けられるじゃないですか(笑)。だったら期限を決めて、自分の可能性を試してみてもいいんじゃないかと思って。まずは2年間やってみようって。大学はきちんと卒業するつもりでしたし、動画作りの経験は将来ほかの仕事に就いても絶対にプラスになるはずだと思っていました」(※採用試験の年齢制限は、自治体や区分ごとに異なる)

普段は決して冒険するタイプではないというが。

「いざ本当にやりたいものに出会ったとき、そこに飛び込む勇気を持てるかどうかだったんだと思います。なので、その一歩だけは踏み出してみようと決めました」