裏金問題による離党を逆手に取り、“二階王国”に反旗

そうしたなかで2023年の暮れ、安倍派の裏金問題が明るみに。世耕氏を含めた5人衆の責任は重いとされ、世耕氏は離党。大きな政治的ダメージを負ったかに見えたが、無所属となった状況を逆手に取った世耕氏は、長年の悲願であった衆院転出を目指して2024年10月、衆院選に出馬した。

このとき、世耕氏の前に立ちはだかってきた二階氏も自身の派閥の裏金問題の責任を取るとして引退。三男の伸康氏が自民党公認候補として出馬した。

伸康氏は「地元の市長選で落選した長男よりは評判がマシだったため二階氏の後継となったが、それでも『偉ぶっている』などと地元有権者から言われていた」(自民関係者)こともあり、知名度や実績のある世耕氏が完全勝利。伸康氏は比例復活もできない惨敗だった。

世耕氏に惨敗した伸康氏(写真/本人Facebookより)
世耕氏に惨敗した伸康氏(写真/本人Facebookより)

その後も世耕氏は“二階王国”の復活を許さなかった。2025年の参院選では、伸康氏が再び出馬したが、世耕氏は自身に近い無所属・望月良男氏を支援し、望月氏が勝利した。

こうして世耕氏が二階氏側に“完勝”を重ねたことで、公認候補の勝利を世耕氏に阻まれてきた和歌山県連も“降伏”する。県連は7月3日、世耕氏と、今後の選挙協力などをめぐる「確認書」を交わしたと発表。国政選挙や首長の選挙などで世耕氏が全面的に協力、支援することなどが盛り込まれた。かつて“二階王国”と呼ばれた和歌山県政界で、二階氏側の影響力低下が改めて浮き彫りになった瞬間だった。