「悲願」はなぜ、わずか4カ月で崩壊したのか
高市首相は6月末にも最終判断を下した上で今秋の臨時国会に関連法案を提出する構えだ。2027年4月にスタートするスケジュールを描く。
首相の「悲願」はなぜ、わずか4カ月で崩壊したのか。6月3日、経済産業省は社会保障国民会議に「参考資料」を提出している。
それによれば、バーコードから販売時に商品情報を読み取り、POSシステム(Point of Sales)に連携する「ターミナルPOSレジ」は約70万台、タブレットやスマホなどをレジ端末として利用する「モバイルPOSレジ」(スマートレジシステム)は約30万台、キーボードなどを手動で操作し、出入金管理を行う「ガチャレジ・メカレジ」は50万台前後、それぞれ存在している。
だが、現在は「税率ゼロ」の入力ができないシステムが存在し、消費税が「0円」のものは非課税扱いにされ、0%対象の価格を記載したインボイスを発行できないシステムがある。
このため、「0%対応」に向けた大規模改修をするには最大10カ月~1年程度が必要になるという。これが「1%への引下げ」であれば、必要期間は5カ月~6カ月程度でレジのシステム改修が完了するとしている。
「国民会議」は本当に必要だったのか
経産省はシステムメーカーの見解として報告しており、それを否定するつもりはない。だが、腑に落ちないのは高市首相がこれまで語ってきたことと大きな齟齬がある点だ。
首相は衆院選公示日の前日となる1月26日、日本記者クラブ主催の公開討論会で食料品の消費税を2年間ゼロにする考えを表明。実施時期については、超党派の「国民会議」で結論がまとまれば今秋の臨時国会に税制改正関連法案を提出したいとの意向を示した。
だが、先に触れたように「1%」案に野党は慎重・反対姿勢を崩しておらず、何をもって「結論」と6月末に位置づけるつもりなのかわからない。
そもそも、政府内で「1%」案を最初から提出する考えだったならば、「国民会議」という存在は不要だったことになる。付け加えれば、高市首相の消費税減税をめぐる言動はブレまくってきた経緯がある。
高市首相は昨年10月、自民党総裁に就任した際に消費税減税に関し「選択肢としては放棄するものではないが、すぐに対応できることを優先したい」と述べていた。同11月には国会答弁でレジのシステム改修などに一定の期間がかかることにも留意すべきだとも説明した。













