数字からみえる「政府が情報を管理しようとする意図」
経産省の資料によれば、平時(2024年平均)の国内ナフサ需要は月約280万キロリットル(kl)だった。内訳は国内精製が約110万kl、中東からの輸入が約120万kl、それ以外の輸入が約45万klである。
ホルムズ封鎖後、中東からの輸入はほぼ消滅した。政府は代替調達を急ぎ、5月には中東以外からの輸入が135万klを超える見込みだと発表した。
国内精製110万kl+代替輸入135万kl=245万kl。平時の280万klには35万kl、約13%届かない。
政府はこれに対し「川中製品の在庫を含めれば4ヶ月分以上ある」と説明する。しかしここに見落とされがちな前提がある。
去年も在庫はあった。在庫を足して比較するなら、昨年は280万klの供給に加えて在庫分もあったはずだ。条件を揃えれば、前年比で供給量が減っていることは数学的な事実である。政府自身が公表したデータから導かれる結論だ。
「足りている」は嘘ではないかもしれない。しかし何を足して何を引いた上での「足りている」なのか。その計算式を示さないまま「大丈夫」と繰り返す言葉には、情報を管理しようとする政府の意図が見え隠れする。
問題の本質は「量」から「価格」へ移行した
ホルムズ封鎖以来、農水省・経産省は消費財メーカーや食品業界など川下の各業界に対して、ヒアリングや意見交換を重ねてきた。政府側の説明は一貫している。「総量は確保できている」「流通の目詰まりは認識している」「前年同量の発注を守ってほしい」。
しかし民間企業から共通して聞かれる声は、量の問題より価格の問題だ。容器・フィルム・副資材の仕入れコストが軒並み上昇している。印刷インクの溶剤から梱包用フィルムまで、あらゆる副資材に影響が及んでいる。なぜコストが上がるのか。











