「補正予算NO」を公約したのに…すでに補正予算案編成を指示
止まらない物価上昇や中東情勢の悪化をにらめば、国民生活を下支えする経済対策を早期に講じるべきとの声は根強い。
実際、先に触れたFNNの世論調査を見ると、物価高に対する高市政権の取り組みに「不満がある」「どちらかと言えば不満がある」は合わせて58.7%に上り、ネガティブな反応を見せている。
にもかかわらず、直近まで首相は補正予算案の編成には否定的で、ここにきて急旋回したことになる。
それもそのはず、首相は「補正予算NO」を公約してきた。首相の意向を強く反映した自民党の衆院選公約(2月)は「補正予算を前提とした予算編成と決別し、経済成長による税収増なども勘案しながら、必要な予算は当初予算で措置します」と掲げていた。
2月の施政方針演説でも「毎年補正予算が組まれることを前提とした予算編成と決別する」と宣言したが、当初予算が成立してから約1カ月で早くも補正予算案の編成を指示する始末となっている。
実は、この点は「責任ある積極財政」を掲げる高市政権にとって大きな意味を持つ。
来年度、首相が描く官民投資の促進策を加えれば、予算はさらに膨張
4月7日に成立した2026年度当初予算は、一般会計の歳出総額が過去最大の122兆3092億円に上り、国債利払いや償還に充てる国債費は31兆2758億円と初めて30兆円を上回った。さらに来年度は首相が描く官民投資の促進策を加えれば、予算が膨張する見込みだ。
ここに補正予算が上積みされていけば、当然ながら「国の借金」は増えていく。財政膨張は長期金利の上昇にもつながり、さらに利払い費などが積み重なる悪循環を招きかねない。
5月18日には新発10年国債利回り(長期金利)が2.800%と1996年10月以来29年半ぶりの高水準をつけた。長期金利上昇は、住宅ローン金利の上昇を招くだけではなく、企業の経営にも影響を与える。日銀が保有している国債の含み損も巨大になるだろう。
円安進行も気がかりだ。4月29日にはニューヨーク外国為替市場で円相場が下落し、一時1ドル=160円台半ばをつけた。政府・日銀は円安是正のための為替介入に踏み切ったが、円安が進行すれば輸入物価が上昇し、国民生活を脅かす。













