大切な人と行きたいのは、ネパール料理
こうして生まれた本書には、都内各所の個性的な店が並ぶ。シンガポール、ブータン、スリランカ、エジプト、エチオピア……普段なかなか足を運べない国や地域の料理にも出合えるラインナップだ。
その中でも「特別な日に大切な人と食事をするなら」と問われると、「どのお店も魅力的で、そのときの気分で選びたくなるものばかり」と前置きしながら、ネパール料理を挙げた。
「この連載で初めて食べたのですが、スパイスを使いながらも日本人にとってどこか馴染みのある味でとてもおいしかった。」と語った。
また、数ある写真の中でお気に入りとして挙げたのは、連載初回となったメキシコ料理の回の1枚。小学生時代の3年間をメキシコで過ごした上白石にとって、メキシコは「第2の故郷のような場所」だという。
「以前から大好きだったお店でもあったので、そこに来られたうれしさが前面に出ている写真です。衣装もメキシコらしい雰囲気で、写真だけを見ると本当に現地で撮影したような雰囲気のカット」と語り、特別な思い入れを明かした。
世界を旅する気分を味わえる一冊
イベントの最後に上白石は、「この本を通してたくさんの文化に触れ、知らなかったことも知って、その体験で自分の視野が広くなった気がしています」と語った。続けて、「国際的な考え方や視点をもつことが大事な世の中だと思いますが、世界は広く、知らないことがたくさんあるんだと知ることは、自分を謙虚にさせてくれるし、考える力や感じる心が育まれるような気がしています」と思いを明かす。
最後に「そんな堅苦しい本ではありませんが、彩り豊かなこの一冊で、少しでも心を潤していただけたらいいなと思っています」と読者にメッセージを送り、イベントを締めくくった。
本書はグルメガイド、エッセイ集、ビジュアルブックとあらゆる楽しみ方ができる一冊。 食を愛する上白石の感性を通して、読むだけで世界各地の料理を味わえるような臨場感あふれる内容となっている。東京にいながら世界を旅する気分を味わいたい方におすすめの一冊だ。
取材・文/福永太郎













