入口よりも目立つ消費者金融と質店の看板

東京駅、八重洲口。かつては雑居ビルがひしめき合って暗いイメージがあった街だが、2007年の「グラントウキョウ」の開業を機に、再開発がスタート。

23年には高級外資ホテルのブルガリが入居する「東京ミッドタウン八重洲」がグランドオープンし、今もなお巨大なクレーンが轟音をたてて新たな街をつくり上げている。

そんな中、新たな名所として誕生したのがトフロム八重洲だ。開発を推進したデベロッパーは旧安田財閥の中核企業だった東京建物。三菱地所や三井不動産よりも設立は古く、日本で最も歴史があるデベロッパーだ。

「東京駅の新名所」がまさかの光景…トフロム八重洲に並んだ「消費者金融」と「質店」看板の異様感とウラ事情_1

高速バス乗り場には東京都の「東京観光情報センター」も招致。もともと駅の反対側の丸の内に比べて地味な八重洲だったが、新幹線改札からも近く、利便性は高い。

「東京」の名を冠した同社が満を持して開業したトフロム八重洲には、日本や東京の玄関口としての役割をはじめ、大きな期待がかけられていた。

そんなトフロム八重洲だが、東京駅から降りると目の前に真っ先に飛び込んでくるのは美しいアーチでも植栽でもない。「レイク」「アイフル」「アコム」と消費者金融機関の店舗のサインと、「質 高価買取 大黒屋」という巨大な看板だった。

入口よりも目立つ消費者金融と質店の看板
入口よりも目立つ消費者金融と質店の看板

夕方、しかも小雨が降っていたということもあり、質店と消費者金融の看板のほうが入口よりも目立っていた。

不動産デベロッパーの威信を懸けた物件であることを考えると、かなり異様な光景だ。東京ミッドタウン八重洲はもちろん、麻布台ヒルズやグラングリーン大阪、高輪ゲートウェイシティと近年開業した大型複合施設を思い返しても、どこも正面は美しく整備されており、こんな光景は見覚えがない。一体、なにが起きたのか。

「地権者との間で話がこじれたんですよ、有名な話です」

大手デベロッパーの社員、A氏はこう笑う。