以前から苦情が多くて強硬手段に

アメ横ならではの雰囲気といえば聞こえはいいが、通行者としては足早に通り抜けたくなるような混雑感もあった。普通に歩いているだけで、飲食をしている人と目が合ったり、ぶつかりそうになったりすることもあった。

しかし、今回訪れてみると、以前よりも明らかに歩きやすい。アメ横らしい人通りや活気は残っているが、歩行者が客席を避けながら進むような場面は減っている。

アメ横・中心地でも路上にまで飛び出している店はなくなっていた(撮影/集英社オンライン)
アメ横・中心地でも路上にまで飛び出している店はなくなっていた(撮影/集英社オンライン)

アメ横周辺で見回りをしていた地元関係者の男性にも話を聞いた。

「やっぱり『道が狭くて通れない』っていう苦情がずっと多くてね。近所の人たちからも昔から言われてたんだよ。ここ、本当は車も通れるんだけど、客席のせいで通れなくなっちゃってたから。で、警察も何回も『どかしなさい』って注意はしてたんだけど、それでも言うことを聞かない店があってね。最後は警察が来て、トラックで机や椅子を全部持って行っちゃったよ」

トラックで机や椅子を運び出したという対応は、かなり踏み込んだものに見える。ただ、半年で1500件近くの指導や警告があったと報じられていること、それ以前からも注意を受けていたという証言を考えると、今回の摘発は、改善が見られなかった末の強い措置だったといえるだろう。

一方で、この摘発の様子は大きなニュースになったものの、現地で話を聞くと気になる声もあった。路上で客の呼び込みをしていた居酒屋で働く男性に今回の摘発について尋ねると、「そんなことあったんですか? 自分はわからない」と話し、摘発については全く知らない様子だった。

また、別の現地関係者の男性からは、こんな声も聞かれた。

「前から警告とかしていたのに、やめなかったわけだしね。その場では聞いたふりをして、すぐに戻っていたこともあった。今回もしばらくしたら、また戻るでしょ」