「木の家」への挑戦と「川上から川下」への統合

住友林業は、戦後の高度経済成長期に木材の輸入商社として成長を遂げた後、1975年に住宅事業へと進出しました。現在、住友林業の収益の柱は、国内住宅事業よりも海外住宅・不動産開発事業となっています。

2003年に米国シアトルで海外住宅事業を開始して以降、米国や豪州などで戸建住宅の建築・販売を展開。2018年以降は、戸建てのみならず、集合住宅事業・不動産開発事業、宅地開発事業にも進出するなど、海外事業が本格的な成長軌道に乗りました。

2017年には、ゼネコンの熊谷組と業務・資本提携し、中大規模木造建築事業といった非住宅分野への進出を強化しています。

2021年、コロナ禍の影響で起きた木材高騰現象、「ウッドショック」では、世界の木材希少性が浮き彫りとなりましたが、同社はこれに対し、海外からの調達で競争力を発揮しました。また同社では2022年に2030年に向けた長期ビジョン「Mission TREEING 2030」を発表し、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。

日本の林業を守り続ける同社は、インドネシアでも持続可能な林業経営を実践しており、違法伐採や焼き畑で荒廃した森林で、科学的調査に基づいて保護エリアと施業エリアを適切に区分けし、温室効果ガスの排出や森林火災を抑制しつつ、植林から伐採に至るまでのサイクルを計画的に回しています。

取り組みの成果として、2019年にはオランウータンの親子が撮影されるなど、生物多様性が維持されていることがうかがえます。2022年からはマングローブ林保全によるブルーカーボン・クレジット創出に向けた取り組みも開始し、経済と環境保全を両立する事業モデルとして注目されています。

文/山川清弘 写真/shutterstock

教養としての 三菱・三井・住友
山川清弘
教養としての 三菱・三井・住友
2026/3/24
1,900円(税込)
344ページ
ISBN: 978-4868011347

「たちまち3刷決定!
 東洋経済オンライン、集英社オンラインなどで
 話題沸騰!」

麻布競馬場さん推薦!!

就活中に読みたかった!
歴史学にして地政学…… 
日本経済の「空気」を言語化してみせた驚異の一冊。


「住友系の企業の接待で、うっかりキリンビールを注文してしまい、場の空気が一瞬で〝やらかした〟感じに変わった」

そんな失敗談を、みなさんは耳にしたことはあるでしょうか。もしかしたら、ご自身が冷や汗をかいた経験があるかもしれません。
たかがビール、されどビール。日本のビジネス界には、いまだにこうした「知らなかったでは済まされない不文律」が厳然として存在しています。
これらは決して、昭和の時代の笑い話や、都市伝説の類たぐいではありません。

令和の今でも脈々と受け継がれるグループの歴史、人格、関係性、ルール。日本社会に多大な影響を与え、〝裏で操る〟とも評されることのある旧3大財閥のそれらは「知っておいて損はない、大人のための教養」です。

本書は、単なる企業データ集や業界地図ではありません。
「三菱・三井・住友」という巨大なプリズムを通して、日本経済の構造と、そこに息づくビジネスの「作法」を読み解くための教養書です。

かつて、財閥は日本経済そのものでした。そして今、形を変えた「グループ」は、日本経済のインフラとして、空気のように私たちの生活を取り巻いています。 マンションを買えば、それは三菱地所や三井不動産、住友不動産が建てたものかもしれません。コンビニでおにぎりを買えば、その具材は三菱商事が輸入し、パッケージは三菱ケミカルの素材で作られているかもしれません。車に乗れば、住友ゴム工業のタイヤで走り、三菱電機の電装品が制御し、ENEOS(三菱系)でガソリンを入れているかもしれません。
私たちは知らず知らずのうちに、この3グループの手のひらの上で生活しています。
だからこそ、彼らの論理、彼らの歴史、彼らの不文律を知ることは、日本で働き、暮らし、投資をするうえで、最強の武器となるのです。
本書が、みなさんのビジネスという航海における、確かな「海図」となることを願っています。それでは、知られざる「三菱・三井・住友」の深層世界へ、ご案内しましょう。
(はじめに より)

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