サウジアラビア投資の失敗が尾を引く
住友化学の伝統的な石油化学事業は、需要が低下する国内では生産規模を縮小し、サウジアラビアでの大型合弁事業「ペトロ・ラービグ」へ軸足を移してきました。
ラービグ計画は、原油高騰に対抗できる、安価なエタンガスを原料として確保し、世界最高水準のコスト競争力を得ようという戦略的な「賭け」でした。
しかし、プラント立ち上げの難航のほか、2000年代にシェール革命と呼ばれる新たな採掘方法が出現したことにより、コストの優位性も下がってしまったこと、さらに設備の高度化の遅れなどが重なり、事業は長期の苦境に陥っています。
2000年代初頭には、当時の三菱化学に対抗するため、三井化学との統合が模索されましたがこれも決まらず、結果的に、ラービグ事業と医薬品事業の損失が重なり、2024年3月期には過去最悪となる3118億円の最終赤字に沈んでいます。
現在、三井化学が2027年に石油化学事業の分社化と業界再編を目指す方針を示すなど、住友化学に限らず、石油化学業界全体が、新たな方向性を打ち出す必要に駆られています。
一方、広大な森林を所有する住友林業では…
「林業」と聞くと、第一次産業を手がける会社だと思ってしまいそうですが、住友林業は、森林経営から木材建材の製造・流通、戸建住宅・中大規模木造建築の請負や不動産開発、木質バイオマス発電まで、木を軸とした事業を一貫して展開する総合住生活関連企業です。
その森林経営の歴史は住友グループの中で最も長く、300年以上に及びます。最大の特色は、約37.9万ha(森林ファンド含む)に及ぶ広大な社有林を国内外で管理・保有し、植林から伐採、利用、再植林という持続可能なサイクルを回している点です。
この一貫したバリューチェーンを強みに、高品質な木造注文住宅「住友林業の家」を主力とし、環境に配慮した「木のスペシャリスト集団」としてグローバルに事業を展開しています。
国内きっての歴史をもつサステナブル企業
住友林業の起源は、1691年に住友家が別子銅山を開坑した際、銅の製錬に要な薪炭や坑道の坑木を確保するために始めた「銅山備林」経営にまでさかのぼります。
19世紀後半、長期間の過度な伐採と煙害により周辺の森林が荒廃したため、当時の別子支配人であった伊庭貞剛は「国土報恩」の考えのもと、1894年に「大造林計画」を樹立しました。この理念は、持続可能な経営である保続林業を確立させる原点となりました。













