住友グループの原点・鉱山から始まる社会貢献
マラリアの流行を食い止める蚊帳、スマホの画面を支えるタッチパネル、そしてサウジアラビアの砂漠に広がる巨大石油化学コンビナート――。
一見すると全く別の世界の話のようですが、これらはすべて「住友化学」という一つの企業の事業です。100年以上にわたり、住友化学は社会が抱える課題に正面から向き合い、それらを価値に変えてきました。
創業の原点は、公害の原因だった亜硫酸ガスを肥料へと〝資源化〟した取り組みにあり、現在の同社を象徴する環境技術やグローバル事業にも、そのDNAが脈々と受け継がれています。
戦後、住友化学はポリエチレンなどの石油化学、アルミニウム製錬、塩化ビニルなど、多岐にわたる事業に進出しました。特に、1930年代にはメタノールや尿素といった化学工業用薬品の製造に進出し、肥料部門以外の分野を積極化させました。
しかし、アルミニウム事業は、電力コストの高さなどから国内で最もコストがかかると評されるなど競争力を失い、後に事業撤退という挫折も経験しました。
高収益部門はアフリカ社会にも貢献
住友化学は、三菱ケミカルに次ぐ総合化学大手として、石油化学、機能材料、農業関連、医薬品などの事業を多角的に展開する住友グループの代表格です。医薬品、電子材料、農薬といった高付加価値事業を「攻め」の柱としています。
電子材料ではディスプレイ用フィルム、タッチセンサーパネル、半導体材料などの分野で世界的にも高いシェアを誇り、特に韓国サムスングループ向けに強いのが特徴です。
また、農薬は国内勢として最大手です。同社が開発した殺虫剤は、マラリア対策の防虫剤処理蚊帳の原料となり、製造技術をアフリカの現地企業に供与することで、現地の雇用創出とマラリア撲滅という社会貢献を両立するユニークなビジネスモデルとして評価されています。
一方で医薬品事業は、上場子会社の住友ファーマ(旧大日本住友製薬)が担っていますが、主力薬剤の特許切れによる巨額の赤字を計上し、住友化学本体の業績を大きく圧迫しました。













