現役にこだわり続ける理由と「あの事件」

ⒸOKINAWA SV
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今だからこそ、FWにこだわりたい。7つのクラブを渡り歩いた中で、やはり特別な思いがあるのは、そのポジションでのオファーをくれた最初のチームだった。

「沖縄にいて全く無名だった僕に高校二年生のときから、スカウトの方が見て下さったのが、川崎フロンターレでした。フロンターレがオファーを下さらなければ、僕はプロになれていないし、それがすべての始まりでしたから感謝しかないです。

それも本土での生活が初めてで電車の乗り方も分からなかった少年をここまで育ててもらいました。当時J2だった川崎フロンターレに入団してチームと共に成長させてもらったと思っています」

18歳で上京し、右も左も分からなかったウチナーの少年。その後27年間もプレーを続けると誰が想像しただろうか。これまで引退を考えたことはなかったのか。

「正直、辞めようかと考えた時期もありました。期待してチームに呼んでもらったのに貢献できていないという思いがあったんです。でも辞めるのはいつでもできる。契約をして下さるというのならば、絶対続けた方がいいというアドバイスをいろんな方からもらって、不要と言われるまで必死になって頑張ろうと。JFL では自分が一番上になっちゃいましたね」

 ガナがここまで長くプレーできている理由は何なのだろうか。

三浦知良選手が現役にこだわり続けるというのは、1998年にフランスW杯を直前に控え、メンバーから外されて帰国を余儀なくされたことと無関係ではないはずだ。当時、彼がW杯に出ていたらおそらくもっと早く引退していたのではないか。

同様にガナの場合も、あのとんでもない事件に巻き込まれたことが大きいのではないだろうか。この問いに対してガナはよどみなく答えた。

「単純にサッカーが大好きだというのが、まずあります。それと確かに、あの事件の時にサッカーがやりたくてもできなかったという辛い思いがあるので、現役にこだわりたいという思いはあります。チームの垣根を超えて選手やサポーターの皆さんに支えていただいたので、感謝の気持ちを胸に今もずっとプレーしています」