深夜2時帰宅、朝5時起きで娘と勉強生活をスタート
──娘さんが通学している学校名は非公開ながら、東大受験指導の専門塾である鉄緑会に通われていることから、非常に優秀であることがわかります。
ただ、そんな娘も、小1で最初SAPIXに入ったときの偏差値は42でした。クラスも一番下だったんです。それまで学習管理は妻が担当していたのですが、その結果を受けて、妻を“クビ”にしました。
──クビ!? またかなり強い言葉ですね……指導力に不安があったのでしょうか。
いや、妻の性格上、仮に娘の中学受験がうまくいかなかったとき、すべての責任を抱え込んでしまいそうだったので。「SAPIXでの成績や受験結果含めて全ての責任は私が取るから、これからは私が学習管理をする」と伝えたんです。
2016年3月当時、まだ私は三井物産に勤務していて、深夜1時〜2時に帰宅して、朝5時に起きて娘と一緒に勉強する生活が始まりました。
──かなりハードですね。娘さんの学習に寄り添うだけでなく、戦記さんは試験結果などをネットに公開しています。その是非もたびたび議論にはなりますが、単純な疑問として、忙しいなかでそこまでの情熱を注ぐのはどうしてでしょう。
始めた2016年当初、ブログは古代ローマのカエサルが紀元前50年頃に書いた『ガリア戦記』をモチーフにしていました。淡々と事実を記していくスタイルが好きなのです。
それは、将来の自分を戒めるためでもあるんです。常にブログの読者は将来の自分である、と想定していて、学習方法について間違いがあれば都度改めればいい――そんなふうに思って書いていました。
また、記録したものを公開することには、明確なミッションがあります。教育投資情報の格差是正に少しでも貢献したいと考えています。
中学受験は現在、私自身が参戦した1989年当時よりもますます高度化し、情報を持っている人とそうではない人の有利不利がかなり顕著になっています。言葉を選ばずにいえば、すでに形成されている上位層が情報も学力も抱えてしまって、地方から参入することはかなり高いハードルがあります。
その反面、今はスマホがあるので、情報にアクセスするのが以前よりは容易になってきています。もちろん人生は前提として不平等なものかもしれませんが、私がこうして発信をすることで、“受験界隈”についての知識を得られる人が増えれば、戦記を綴った意味があったといえるかもしれません。
実際、「受験に詳しくないので教えてほしい」という学生や保護者からの相談に応じることもあります。
取材・文・写真/黒島暁生













