大谷翔平とコスメデコルテ
そして日本の消費者は目新しさや面白さよりもリスク回避を好み、「本当に良いものなのか」、「安心して使えるのか」を気にしやすく、また個人としての自分よりも集団の一員としての自分の意識を強く持ち、「自分だけやっていて、周りから変に見られないか」、「他の人たちから、自分が勘違いしているように思われないか」などを気にしやすい。
けれども、「あの人が言うなら(使っているなら)、自分が使っても大丈夫」、「もうみんな受け入れているから、自分も大丈夫」と、ひとたび心理的ハードルを越えるとドッと普及が進んでいく特徴も持っている。
ハードルを越えるのは、リアルやネットで自分が目にする不特定多数の「みんな」を見て、「自分だけやるのは恥ずかしい」から「自分だけやってないと恥ずかしい」に本音が切り替わったタイミングになる。
KOSE「コスメデコルテ」や「雪肌精」のCMに大谷翔平が出て話題を集めたが、芸能人やスポーツ選手の広告、SNSのインフルエンサーのプロモーションなど、「あの人が言うなら(使っているなら)」は、きっかけを作る。
そうして、特殊だと思われていたものが、みんなに知られ受け入れられ、市民権を得て「トレンド」になり、「定番」になっていくのである。
「男性美容」という言葉は、すでに市民権を得て、多くのコスメストア、ドラッグストアで売り場が作られるほどに浸透している。なかでも肌と髪、スキンケアとヘアケアは、すでに市民権を獲得して、トレンドから定番になったと言っても過言ではない。
今後さらに低価格帯、中価格帯、高価格帯、そしてハイブランドやプチプラアイテムと、階層ごとに商品のラインナップがより充実していくだろう。
国内、欧米、そして近隣のアジア各国の商品などにより、多彩かつ熾烈な市場競争と共に市場規模が拡大していくことは女性美容市場を踏まえれば当然の流れである。
加えて男性美容は、これから市民権を得ていく余地がまだ数多くある。
肌と髪以外ではネイル、リップ・眉・ファンデーションなどのメイク分野、シミ・クマ・シワの解消などの美容医療の分野など、男性美容市場の伸びしろは、まだまだ大きく残されているのだ。
文/永井竜之介
脚注
※1 https://www.intage.co.jp/news/5329/
※2 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000460.000025614.html
※3 花王株式会社「ビオレの想い」https://www.kao.co.jp/biore/about/
※4 週刊粧業「ニベア花王、男性向けスキンケア「ワンステップケア」を発売」を参照https://www.syogyo.jp/news/2025/10/post_042414













