決め台詞「地獄に堕ちるわよ」の真意

――今回、Netflixドラマのタイトルにもなった「地獄に堕ちるわよ」という決め台詞は、どのようにして生まれたんでしょうか?

私も母に聞いたことがあるんです。「どうして人が死んで不幸になるみたいな、あんなキツイ言い方をするの?」って。そしたら「あんたね、そこまで言わないと人は気付かないのよ」と言ってました。例えば、「『気を付けてくださいね』と伝えるより、『地獄に堕ちるわよ』って言われたほうが、本人も『やば…』ってなるでしょ。修正してあげたいから言ってあげてんじゃない」と、本人にはそういう思いがあったみたいです。

――かおりさんもプライベートで「地獄に堕ちるわよ」と言われたことはあったんですか?

ありましたよ。「そういう無駄なことばっかりやってるとね…」とか「旦那に対してそういう物言いしてるとね…」とか、「本当に不幸になって地獄に堕ちるわよ」って言われたことはありました。でも私にとっては、昔の人がよく言う「バチが当たるわよ」みたいな感覚で、注意喚起の一つという受け止め方でした。とはいえ、世の中の人からしたら、赤の他人に、あんな威圧的な感じで言われたら…そりゃあ“パワーワード”ですよね(笑)。

――著書は累計1億冊以上を売り上げ、ギネス世界記録にも認定されていますが、なぜここまで“六星占術”がブームになったとお考えですか?

六星占術って、当たる当たらない以前に、生きるうえでの心の在り方や土台になる部分をとても大事にしているんです。運気が悪い場合でも、その先に救いの手を差し伸べて、責任を持ってその人の人生を導く思いがある。それが長く愛される理由だと思います。

――ズバリ、細木数子さんの人生を一言で表すと?

やっぱり「波乱万丈」じゃないですか。戦争も経験して、結婚と離婚も経験して、戦後の焼け野原から商売を始めて上手くいったと思いきや、騙されて借金を背負ったり…そんな展開が目まぐるしい人生ってあるのかって驚きますよね。

――ドラマでは、どういう視点で細木数子さんの人生を観ていただきたいですか?

占い師どうこうより、戦中戦後の昭和を歩んできた一人の女性の人生として観てほしいです。今の時代では「えっ…」って思うことも、終戦直後は「そうでもしないと生きていけなかった」という描写もあると思う。それを正当化するわけではなく、そういう経験を積んできた人だったんだなって温かい目で観てほしいです。

――細木数子さんに一言伝えるとしたら?

「本当、お疲れ様でした。ありがとう」って伝えたいです。世間に叩かれたり、賛否両論はありましたけど、それでも最後まで自分の軸をブレずに全うしたのは、誰にでも真似できることではないので。

――お母様は今、天国にいらっしゃると思いますか?

私は、母は天国にいると思っていますね。

晩年の細木数子さん(写真右)と後継者で娘のかおりさん(左)
晩年の細木数子さん(写真右)と後継者で娘のかおりさん(左)

取材・文/木下未希