大会の波乱としては面白いが…

また、ビジネス面でもマイナス要素はあり得る。アメリカ代表にはMLBの看板選手が集まり、彼らの存在は放映権、スポンサー、海外メディアの関心を大きく押し上げる。

Netflixが独占放送する今大会で、アメリカが早期敗退すれば、大会後半の国際的な視聴熱は下がり、日本戦の世界的な注目度も限定される可能性がある。結果として、日本野球の魅力を世界へ発信する機会が少し縮小する。

日本が決勝トーナメントの舞台となるマイアミの「ローンデポ・パーク」(写真/shutterstock)
日本が決勝トーナメントの舞台となるマイアミの「ローンデポ・パーク」(写真/shutterstock)
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加えて、NPBの選手たちにとってメジャー挑戦への査定という観点でも損失はある。WBCの価値は優勝だけではなく、MLBトップ選手との真剣勝負を通じて、NPBの選手たちが自身の実力の現在地を知ることにもある。アメリカとの対戦機会が失われれば、日本の投手力や機動力、勝負強さが世界最高レベルにどこまで通用するのかを測る絶好の舞台が一つ減ってしまう。

アメリカの一次リーグ敗退は、大会の波乱としては面白い。しかし日本にとって本当に価値があるのは、最強候補を真正面から破って世界一になることだ。勝ちやすさと引き換えに失うものは、実は想像以上に大きい。

取材・文/集英社オンライン編集部