SNSで拡散される女子生徒のダンス動画
ダンスにはさまざまな側面があるが、成瀬氏は、学校教育で行う表現運動やダンスの考え方に近い形で理解してもらうことが望ましいと話す。
「ただ、学校現場で行われているダンスの考え方は、まだ十分に社会に浸透しているとは言えません。そのため、最終的にはモラルの問題として、大人が適切な理解を持ち、子どもに伝えていくしかないと思います」
こうした問題は、子どもだけに限らない。SNSなどでは、高校生が文化祭などで露出度の高い衣装を着てパフォーマンスしている様子が大人によって拡散されている。
「私自身、様々な舞台を鑑賞する中で、近年は子どもが露出の多い衣装で踊っている場面を見ることが増えたという印象があります。もちろん指導の難しさはありますが、まずは教員が学校におけるダンス授業のねらいを正しく理解し、その考え方を他教科の教員とも共有していくことが大切だと思います。そのうえで、学校として発信する動画や活動内容についても、適切な判断をしていく必要があるでしょう」
保健体育の教員であってもダンスの内容を十分に理解できていない場合があり、これは指導する側の課題でもあるという。だからこそ、成瀬氏は、専門的に学んだ立場の人間が正しい知識を持ち、子どもたちに伝えていくことが重要だと考えている。
「私自身も若い頃は、それほど問題ではないのではないかと思っていた時期もありました。しかし学びを深める中で、そうした部分がダンスの本来の魅力ではないと気づきました。今後は、他の教員にも同じように理解を深めてもらえるよう、こちらから発信を続けていく必要があると考えています」
年相応ではない表現には、大人が「待った」をかけることも必要ではないだろうか――。
取材・文/千駄木雄大













