ストⅡは操作性が抜群だった

ゲーセンカルチャーは「ストII」登場の以前と以後で分けられる。

伝説の格ゲー「ストII」が起こした革命とは何だったのか。東京都板橋区にあるゲームニュートン大山店オーナーで、数々の格ゲーイベントを主催するユニバーサルグラビティー代表取締役の松田泰明氏は当時の衝撃を振り返る。

「ストⅡは今も続く格ゲーのフォーマットの原点にして頂点。あのタイトルがなければ格ゲーの文化がここまでになっていなかったと思いますよ」(松田氏)

1978年に起きた『スペースインベーダー』の社会現象により、以降、ゲームセンターに設置されるアーケード機はビデオゲームが主流となった。

『スペースインベーダー』ブームが下火になった80年代は『パックマン』『ゼビウス』『ディグダグ』『ドルアーガの塔』などスコアアタック系のゲームが台頭。84年に格ゲーの元祖と呼ばれる『空手道』、85年に『イーアル・カンフー』、87年にはストⅡの初代タイトルである『ストリートファイター』が稼働したが、そのプレイヤーは限定的だった。

格ゲー全盛期だった90年代を語る松田泰明氏(写真/本人提供)
格ゲー全盛期だった90年代を語る松田泰明氏(写真/本人提供)
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「初代の『ストリートファイター』は最初、アップライト筐体(立ってプレイするアーケード機)でレバーとパンチ・キックの2ボタンでした。ボタンを押す強さで弱・中・強が変わるシステムで、当時の不良たちは台パン(八つ当たりでゲーム機を殴ること)していたからいいストレス発散になってた(笑)。

しばらくして同じタイトルで座ってできる6つボタンのテーブル筐体版が出て、それがそこそこ面白くてゲーマーの中で評判がよかった。その流れで91年にストⅡが出て大爆発したんです」(松田氏)

青春期を90年代のゲーセンで過ごしたゲーマーたちも、ストⅡリリース当時についてこう述懐する。

「ストⅡ発売の2年前くらいから(ゲーム雑誌の)『ゲーメスト』の発売予定リストに載っていて、『Ⅰ』にそれなりにハマっていたからリリースされたら初日にやろうって決めてました。期待以上の面白さで、気づいたら毎日バイト代で稼いだ7000円をその日のうちにスト2で溶かしてました(笑)」(50代男性・IT関係)

「『Ⅰ』はリュウとケンしかプレイできなかったけど、『Ⅱ』は敵を含め8人のキャラクターを選択できることにすごく感動した覚えがあります」(50代男性・飲食)

「『Ⅰ』に比べると操作性が抜群にアップした印象でした。地に足がついているというか、操作すると挙動としてしっかり反応してくれる感覚があって、“自分で動かしてる”感が強かったんですよね」(50代男性・出版)

その中でも革新的だったことについて、松田氏がこう語る。