近年、孤独死が激増

孤独死の場合、発見が遅れるにしたがって後の処理が大変になります。特殊清掃という仕事があります。一般の清掃では対応できない特殊な出来事に対しての清掃業務を指しますが、孤独死された遺体が搬出されたあとの室内を清掃する業務が近年激増していると言います。

ちなみに人が亡くなった後の部屋の汚れは発見が遅れ、日がたつにつれ、相当悲惨な状況になります。異臭が近隣に漂い、発覚するケースが多いのですが、部屋ごと全面リニューアルする必要が出てくるケースもあります。またこうした状態になると、事故物件として売却する場合も賃貸する場合にも告知義務が発生します。大家にとっては大迷惑なのです。

また処理費用を遺族などに請求できればよいですが、孤独な高齢者ほど家族とは疎遠になっている、そもそも天涯孤独だったりします。もろもろのコストを考えると、とても高齢者を入居させたくないと考えるのも仕方がない側面があります。

私の知り合いのある団地の管理者によれば、団地内が高齢者ばかりになった最近では、当初は珍しかった孤独死が今はごく「普通」の出来事になったそうです。

画像はイメージです(写真/Shutterstock)
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このようにどんなに元気な高齢者であっても、不動産の賃貸借は長期戦。身体の衰えを見越してリスクをとりたくないという大家や不動産屋の意向が強く働いてしまいます。そのためにも定期的な収入があってまだ高齢者扱いをされないうちに物件をおさえておくことが肝要です。

また実際に住むかどうかは別として子どもと連名で申し込むと、連帯保証などを求められますが、支障なく契約できる場合が多いです。

自分が高齢であることをあまり自覚したくない気持ちはよく理解できますが、逆に家選びを戦略的に考えて早めに実行に移すことで、退職後に思い描くライフスタイルを実現するようにしましょう。

文/牧野知弘

『50歳からの不動産 不動産屋と銀行に煽られないために』(中公新書ラクレ)
牧野知弘
『50歳からの不動産 不動産屋と銀行に煽られないために』(中公新書ラクレ)
2026/2/9
1,100円(税込)
256ページ
ISBN: 978-4121508577

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