スキルス胃がんを克服した宮迫の“術後メシ”
「術後、2日間は鼻から管を入れた状態だから水を飲むことすらできない。息をするにも過呼吸になったときみたいな苦しさが延々と続くのが本当に辛くて……。
呼吸を楽にする麻酔は2時間おきにしか入れてもらえないから、次の麻酔の時間が待ち遠しくて時計ばっかり見てた。とはいえ、麻酔を入れても少しマシになるくらいだから、生涯であんなに苦しい思いをしたことはないですよ。3日目でようやく管が取れて息が普通にできるようになったときは、本当に天国でした」
術部の痛みはどうだったのか。
「腹腔鏡手術だからお年寄りとか腹筋が弱い人はあまり痛くならないみたいなんですけど、僕は運悪くその半年前くらいに『Tarzan』のダイエット企画で腹筋をバキバキにしてたからめっちゃ痛かった(笑)。
でも、お腹の痛みは慣れればなんとかなるんですよ。動けば動くほどよくなるというか。痛みに耐えて歩きまくってたら、術後5日目にはちょっと走れるくらいになってましたからね。『走っちゃダメ!』ってめっちゃ怒られるんですけど、早く復帰したいから誰もいない非常階段をこっそり駆け上がったりして」
医師も驚く回復力で1週間後にはすっかり元気。仕事に早く復帰したい宮迫さんは早期退院を直談判するも、奥さんから「世間を騒がせたのに仮病だと思われる」と説得され諦めるが、手術22日後には「アメトーーク!」年末スペシャルの収録に参加。再びフルスロットルで仕事にまい進できるようになった。
一方で、気になるのは食事面。胃の3分の2を失った影響はないのだろうか。
「術後数日は流動食でしたけど、問題なく復食できました。それでも普通、胃を切除すると食後にダンピング症候群(食べ物が胃にとどまらずに腸に流れ込む症状)で吐き気や頭痛、倦怠感が発生するらしいんですけど、僕はそれがまったくなかった。退院したその足で病院の裏にある定食屋でトンカツ定食を食べられたくらいでしたから(笑)」
ということは、宮迫さんの思い出の“術後メシ”はそのトンカツ……?
「いや、正直いうと僕、トンカツがあんまり好きじゃない。術後はダンピングが起こると聞いて、一度どんなものか体験しておくため思いついた一番重い食事がそれだったから。いわばチャレンジメニューですね。
僕の術後メシは『カプリチョーザ』というイタリアンの看板パスタ『トマトとニンニク』と『たっぷり野菜と挽き肉のミネストローネ』です」
カプリチョーザといえば、国内外に展開する芸能界でもファンの多い老舗イタリアンチェーンだ。
「僕はニンニクがすごく好き。だから、入院中はカプチョの『トマトとニンニク』のパスタの香りがずっと頭の中をよぎってたまらなかったですよ。
退院して数週間後にようやくカプチョに行けたときは『これだよ、これ! 生きててよかった』とフォークが止まらなかったです。やっぱり健康に食事が取れるって本当に素晴らしいことだと、カプチョが改めて教えてくれましたね」
胃を失ったからこそわかる食事のありがたみ。宮迫さんは「僕ももう55歳、何があってもおかしくないから、好きなものは我慢せずに食べようと思ってます」と語る。
後編では、松本人志さんとの思い出も多い、宮迫さんのカプリチョーザ愛をたっぷり語ってもらった。
取材・文/武松佑季
撮影/下城英悟














