3つの幸運が救った宮迫の命
まず“悪い話”を選択した宮迫さんに下された診断結果は初期がんではなく、「スキルス胃がん」だった。非常に危険なタイプのがんで、もちろん内視鏡で取れるようなものではない。
「“スキルス胃がん=死”というイメージだったんで、頭の中が真っ白になりました。椅子に座っているのに、世界が歪んで倒れそうになるくらい気が動転したのを覚えてます」
しかし、医師は続ける。
「『ただ、スキルス胃がんはこんなに早く見つかることはまずありません』と。僕の胃の写真には胃潰瘍の影があって、その中心につまようじの先でつけたような赤い点がありました。それがスキルス胃がんだったんです。
先生いわく、この段階でスキルス胃がんが見つかることはまずないということでした」
“サイレントキラー”の異名を持つスキルス胃がんは、表面に広がっていく通常の胃がんとは異なり、見つけづらい上にすさまじいスピードで胃の内部に進行していくのが特徴。発見時にはすでにリンパ節に転移していることが少なくなく、そうなると寛解は絶望的。宮迫さんのスキルス胃がんは幸いなことにまだごく初期段階だった。
「すぐに取りましょうということで、2週間もかからずオペができました。ただ、当初は胃の3分の1を摘出の予定だったのが、やはりスキルスは転移が怖いということで3分の2を摘出することになった。
術後も不安でしたよ。転移してたら終わり、最悪のケースが頭によぎってそれまでなかなか眠れない日々だったんでね。数日後の病理検査で再発なしという結果が出て、妻とふたりでホッとして気が抜けました」
ドラマの撮影が雨で中止にならなかったら、胃カメラにこだわらずバリウム検査のみで帰っていたら、セカンドオピニオンを受けていなかったら……3つの偶然のうち、ひとつでも欠けていたら…?
「たぶん半年で死んでたでしょうね。ただのラッキーですけど、そのラッキーには感謝してもしきれません」
とはいえ、術後は胃の3分の2を失っている状態。復食への道は簡単なものではなかった。














