最終日に起きた大番狂わせ
ところで3日間にわたって行われた「第1回東京国際歌謡音楽祭」の最終日に、予想もしなかった番狂わせが起こった。観客から圧倒的な拍手を浴びて本命視されていた雪村いづみの『涙』が、準グランプリの最優秀歌唱賞に終わったのだ。
アマチュアの審査員によってグランプリに選ばれたのは、イスラエル代表のヘドバ&ダビデという無名のデュオが、ヘブライ語で歌った「ANI HOLEM AL NAOMI(I Dream of Naomi)」だった。翌日の東京中日スポーツ新聞には、こんな記事が掲載された。
「まさに絶唱いづみ」
全般には多くの問題点を残す
イスラエルから参加した『ナオミの夢』がグランプリを獲得したことは、いささか意外の感をまぬがれなかった。『ナオミの夢』は確かに明るい感じのテンポのある曲だが、ほかにはこれという取りえがない。アマチュアばかりで構成された審査員団のひとつの限界が、このグランプリ曲になってあらわれたといえるだろう。
コンテスト終了後に、東京で日本語の詞を加えてレコーディングが行われた『ナオミの夢』は、翌年の1月25日に発売され、オリコンのチャートで1位を記録する大ヒットになった。
日本の音楽ファンがカーペンターズの魅力に気づくのは、それから2年後のことになる。
文/佐藤剛 編集/TAP the POP
参考・引用
『初来日したカーペンターズの武道館での“明”と“暗”【大人のMusic Calendar】』














