減税は国民が起こせる“無血革命”
「社会保険料より消費税の方がマシ」という主張もある。しかし、国債が絡む以上、消費税の方がはるかに深刻だ。公費負担(税と国債)は、消費税という担保があるからこそ拡大してきた。まずこの担保を外さなければ、税負担も国債も止まらない。
消費税を減税した後に歳出削減を怠り、赤字国債に逃げればインフレが進む可能性はある。しかし、それは減税のせいではない。削減をしない政治の責任だ。むしろ、近年のインフレの一因は、消費税を原資としたバラマキ政治にある。
減税とは、単なる景気対策ではない。政治家の裁量を制度的に奪う行為である。税収という自由に使える資金が減れば、政治は赤字国債という逃げ道を失い、否応なく歳出の優先順位をつけざるを得なくなる。
減税とは、国民側から起こせる静かな無血革命なのだ。自由とは、誰かに決めてもらうことではない。経済も、福祉も、将来も、自分で考えることだ。消費減税が問うているのは、経済政策の是非ではない。この国を、誰が考え、誰が決めるのかという、民主主義の根幹そのものである。
消費減税とは、物価対策や景気刺激といった短期の処方ではない。それは、35年間にわたり改革を先送りしてきた日本政治に対し、国民が制度を通じて突きつける根源的な問いである。
税と国債という仕組みを見直すことで、誰が考え、誰が決めるのかという主語を、政治家から再び国民の側へと引き戻す。そのための、現実的で静かな第一歩だ。
文/オオサワ・キヌヨ













