「市長や市役所職員は大阪府知事の奴隷ではありません」と怒りの声も…

吉村氏がダブル選方針を周辺に伝えたのは高市早苗首相が国会冒頭での解散を検討していると報じられてから4日後の1月13日。

「都構想に挑戦することが⼤阪の未来のために必要だ」と主張しながら、16日には大阪市長の横山英幸氏とそろって知事、市長を辞職し選挙を決めた。

昨年、阪神タイガースの御堂筋パレードに参加する、横山氏(左)と吉村氏(写真/横山氏SNSより)
昨年、阪神タイガースの御堂筋パレードに参加する、横山氏(左)と吉村氏(写真/横山氏SNSより)
すべての画像を見る

都構想は⼤阪市を東京23区のように特別区に再編するもので、「身を切る改革」を掲げる維新の結党以来の悲願だ。

「是非を問うた2015年と2020年の住⺠投票ではいずれも否決されました。吉村氏は2回目の否決後、もう挑戦しないと明言しましたが2023年の知事選で再選されるとまた実現に意欲をみせ始めたのです」(政界関係者)

その都構想に挑戦する“資格”を得るため選挙で信任を受ける必要がある、との主張は一部のメディアや市民から「都構想ありき」「選挙の私物化と言わざるを得ない」と強く批判されているが、その理由は選挙の日程にもある。

「吉村氏は総選挙の投票日は2月8日になると早々に高市首相から聞いていたようで、同じ日にダブル選もぶつけることで、大阪はトリプル選になりました。

公職選挙法では、衆院選は公示から投票までの期間が12日以上となっているのに対し、政令指定都市の大阪市長選は告示から14日以上、知事選は同17日以上です。全国の自治体は急な総選挙の準備で四苦八苦ですが、大阪府下では知事選告示がさらに早く1月22日になったため大変です。

大阪市では候補者のポスター掲示板の資材が確保できず、衆院選だけなら約2000か所を予定していた掲示板が約3分の1に減らされました」(地元記者)

連立合意書を持つ吉村氏(左)と高市首相(写真/吉村氏SNSより)
連立合意書を持つ吉村氏(左)と高市首相(写真/吉村氏SNSより)

今回のダブル選挙に対して、交野市の山本景市長はSNSで「市長や市役所職員は大阪府知事の奴隷ではありません」と怒りを爆発。大阪府下の自治体職員Aさんも「不要不急の選挙をぶち上げて、掲示板を3分の1しか用意できないとは、何のための選挙なのか」と嘆く。