すぐに『連立離脱だ』と言い出す維新にはうんざり

「高市さんは吉村代表や藤田共同代表との個人的な関係は悪くない。ただ、閣内に入って責任を共に背負いもせず、すぐに『連立離脱だ』と言い出す維新の”ヤンキー体質”にはうんざりしている。国民民主党を巻き込むことで、だだっ子の維新を牽制したいという思惑もあるようだ」

その効果はてきめんで、玉木氏はすでに「年収の壁」での合意を理由に2026年度予算に「成立に向けて協力する」と述べた。所得制限を665万円以下とすると、現在は低所得層に限られる非課税枠の対象を大幅に増やすことになるため、財務省は減収規模をおよそ年6500億円と試算した。

国民民主党・玉木代表
国民民主党・玉木代表

片山さつき財務大臣は「確かに痛いが、埋まらない支出でもない」と周囲に語り、財政へのダメージも抑えたという認識だ。むしろ、政権幹部は「維新は信用できない。国民民主を取り込めるなら安い買い物だ。麻生さんにも感謝しているよ」と打ち明ける。

「麻生さんにも感謝していると」いうのは、高市氏と玉木氏が合意する会談の前に、麻生太郎副総裁と国民民主の榛葉幹事長が水面下で会談し、交渉の下地を作っていたことへの感謝という意味だ。

 麻生氏は政敵「菅元首相」に近い維新に不信感

麻生氏は政敵である菅義偉元首相に近い維新への不信感が強い。維新とでは選挙協力も進まない。国民民主なら、連合の民間産別の団体票も期待できるため、「国民民主との連立こそが麻生氏の悲願だ」(麻生派中堅)と言われている。

それでは、2026年に国民民主党は連立入りするだろうか?

答えは「ノー」だ。玉木氏は多党化時代の政策実現のあり方として、周囲に「野党のままでも政策実現は可能だ」と語っていて、逆に自信を深めたようだ。当面は連立政権には入らず、半身のまま、予算や内閣不信任案では政権与党に協力して、自分たちの政策実現を交渉する「部分連合」を選択するだろう、というのが大方の見立てだ。

国民民主党が半身で政権と対峙する以上、高市自民は維新を取り込み続けなければならない。ただ、吉村代表が「改革のセンターピン」と言い放った議員手数の削減は2025年の臨時国会では見送りになった。

2026年の通常国会での成立を意気込むが、維新以外の政党はどこも慎重だ。加えて、この課題は衆院議長の下に置かれた与野党協議会で春ごろまでに結論を出すことになった。ただ定数削減をするだけではなく、選挙制度改革と一体での改革を各党が志向している。