「たまたま私の地元で起きましたが、全国どこでも起こりうる事案です」
――まずイスラム教徒の土葬を巡る問題でおたずねします。岩屋さんの地元大分の日出町(ひじまち)では土葬墓地建設の話があります。しかし今は反対運動で止まっており、これに絡んで11月に近隣の杵築(きつき)市の自民党市議団らが⼩林鷹之⾃⺠党政調会⻑と厚⽣労働省、内閣府に「国の対応を求める要望書」を提出し、岩屋さんはその場に同席されました。この問題の経過をどうみていますか。
岩屋毅(以下、同) 私の地元には立命館アジア太平洋大学という、教員も学生も半分が外国人で世界170の国・地域から留学生が来る多文化共生の学園があります。大分にはイスラム教徒を含む多くの外国人もおられ、地元の別府ムスリム教会が日出町の民有地を買って土葬墓地を作ろうと考えたのですね。
しかし、衛生面の問題や農産物の風評被害が起きるという反対の声が出ました。それで町が町有地を斡旋して、そこに作ろうという話になったのですが、今度は隣町の杵築市でも反対運動が起き、日出町では昨年、土葬墓地反対の新町長が選挙で当選しました。
――要望はどのようなものですか。
埋葬法(墓地、埋葬等に関する法律)では⼟葬は禁じられておらず、その是⾮は市町村が決めるとされています。地元市町は所管の厚労省にどうすればいいか何度も相談しましたが、『権限は市町村にお渡ししているので、自治体で判断してください』の一点張りで埒があかず今日まできています。
今回はたまたま私の地元で起きましたが、全国どこでも起こりうる事案です。私が橋渡しをした申入れは『こういう問題を自治体任せにせず、国がもう少し関与をしてもらいたい』というものです。もっともな要望だと思います。外国人問題というより多文化共生のための課題の1つとして捉えるべきだというのが私の考えです。














