印税だけで約年間1000万円
解散から24年の歳月を経た19。カラオケで「懐かしい1曲を!」となった時、名曲『あの紙ヒコーキ くもり空わって』が選ばれることもあるだろう。気になる印税について話を聞くと。
「印税だけで年間約1000万円ぐらいはあります。27年も前の曲なのに、今でもいろんな方が歌ってくださってるみたいで。放送でもたまに流していただいたり。
サブスクでも、SpotifyやAmazonミュージックから3か月に1回明細が来るのですが、3か月で30万回再生ぐらいあります。毎回びっくりしますし、とてもありがたいです」
多くの人々の青春の1ページに彼らの音楽は刻まれている。ファンに惜しまれながら解散を選んだものの、当時の記憶は今も鮮やかに残っていると彼は微笑む。けんじにとって、19とは何だったのだろうか。
「一言でいえば宝物です。19を越えようと思って3B LAB.☆Sというバンドもやったし、その後ソロで全国ツアーもやりましたけど。この3つの中で社会現象が起きたのは19だけ。
越えられなかった悔しさもあるけど、今となっては19は最大の宝物だと思ってます。逆に19を続けていたら…と思うこともあるけど、それは、一度ちゃんと区切りをつけて、時間があいてる今だからこそ言える“言葉”かもしれないですね」
彼らのファーストアルバム『音楽』、その読み方は「ことば」だ。リリースから27年近く経った今、優しくそう語ったけんじはあの頃の淡い記憶を思い出させるような笑顔だった。19の音楽は今も聴く人それぞれの青春と静かに重なり、これからも風に乗っていくのだろう。
後編では、けんじの人生を変えた恩人や、現在の活動について話を聞いた。
取材・文/桃沢もちこ 撮影/矢島泰輔

















