“ちゃん付け”は相手を子ども扱いしたマウント?
橋本さんは、こうした言動を「マイクロアグレッション(無自覚な偏見や小さな攻撃)」と位置づける。「悪気はなかった」という言葉の裏で、黙ってきた側の我慢が見過ごされてきたと語る。
では、どうすればいいのか。橋本さんは、いきなり強く抗議するのが難しい現場も多いとしたうえで、現実的な対処法として「自分の呼ばれ方を自称で示す」「ワンクッション置いて上司に相談する」など、段階的な方法を挙げる。
そして同時に、職場全体として女性を「場を和ませる存在」「華やぎ」として扱う無意識の前提を見直す必要があると指摘する。
「男性のなかには、女性に対する“ちゃん付け”は親しみを込めた表現、距離を縮めるための言葉と思っている人がいるようですが、女性はこうした男性から、性的な不快感だけでなく、“子ども扱い”による潜在的なマウント意識をも察知します。まず女性を“華やぎを与える存在”とする潜在的意識を改善する必要があると思います」
こうした空気は、もちろんブルーカラーに限った話ではない。意識のアップデートは、「無意識に刷り込まれた前提」を疑うところから始まるのだろう。
取材・文/集英社オンライン編集部













