「問題は習近平に話を通せる政治家も外交官もいないこと」
もっとも日中交流のパイプが細くなったのは二階氏の退場だけが主因ではないと鈴木氏は指摘する。
「二階さんは今の習近平国家主席の2代前の江沢民元国家主席にラインをもっていた人なので、中国で江沢民派が没落し、ご本人も2022年に亡くなったため、中国の中枢で二階さんを評価する人は減っていました。問題は今の最高権力者、習近平に話を通せる政治家も外交官もいないことなんです」(鈴木氏)
華僑社会のつながりや二階氏個人の人脈でもつながれてきたパンダ外交の断絶が、国家間の関係を象徴する首都東京の動物園にまで及んだというのが今回の事態らしい。
“人寄せパンダ”の言葉を生んだ人気者の退場は、地元経済にも大きな影響を与えそうだ。白浜町ではパンダは観光の目玉で、「パンダ目当てのお客さんが去ったことは痛手だ」と地元町議は嘆く。
上野でも「地元の商店街には飲食店もいろいろあり、(パンダの)経済効果は非常に大きいとの声は昔からいただいています」(東京都公園緑地課)との声が聞かれるだけに、今後に不安を残す。
シャオシャオとレイレイがいなくなると報じられた翌日の16日には上野動物公園のパンダ舎には大勢のファンが詰めかけ、午前中には3時間待ちの列ができた。これだけ日本で愛されるパンダが次にやって来るのは、はたしていつになるのか――。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













