30年以上の歴史に突然の幕…浜家ファンの深い悲しみ

2024年に30周年を迎えた、和歌山県白浜町のテーマパーク「アドベンチャーワールド」のジャイアントパンダ保護共同プロジェクト。ここで繁殖したパンダたちは「浜家ファミリー」(以下、浜家)と呼ばれ、日本中の人々に親しまれてきた。

すやすや眠る結浜(ゆいひん)と良浜(らうひん)(写真/神戸万知さん)
すやすや眠る結浜(ゆいひん)と良浜(らうひん)(写真/神戸万知さん)
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しかし、2025年6月。当時飼育されていた4頭すべてが突然の帰国。浜家ファン歴13年の石田さん(20歳・仮名)は、異例の全頭返還について悲しみを滲ませながら語る。

「一気に全員いなくなるなんて本当にショックです。浜家に会いたすぎて、パンダが夢に出てくるほどです。それだけ、浜家は私にとって大切な存在でした」

石田さんと浜家の出会いは、彼女が小学2年生のころ。物心ついたときからパンダが大好きだった石田さんは、「日本のどこかにパンダがたくさんいる場所があるらしい」という噂を聞きつけ、両親にクリスマスプレゼントとして白浜行きをおねだり。そこで浜家の愛くるしさに衝撃を受ける。

石田さんお気に入りの一枚。まったり過ごす結浜(写真/石田さん)
石田さんお気に入りの一枚。まったり過ごす結浜(写真/石田さん)

「アドベンチャーワールドにはパンダとお客さんを隔てるガラスがなく、あまり混雑していないので上野動物園よりものんびりパンダを見ることができるんです。

飼育員さんと触れ合ったり、ゴロンとそのまま下に落ちちゃったり。可愛すぎるパンダの姿を好きなだけ眺めることができて、感動を覚えました」