「次世代開発戦争の巻」(ジャンプ・コミックス第163巻収録)

今回は、映像記録メディアやテレビ放送のはてしない「規格競争」をめぐって、両さんが消費者の立場での見解を熱弁するお話をするお届けする。

本作が発表されたのは、2008年。液晶式テレビの製造・販売数がブラウン管式のそれを越え、第3世代光ディスクの規格競争は大激戦中。そして、2011年の地上アナログテレビ放送の停波を迎えようとしていた。

本作を読むと、テレビをめぐるさまざまな環境や技術が大規模なパラダイム・シフトを迎えようとしていた時代の様子を詳しく知ることができる。

近年は、ツールはPCや携帯端末に集約されていき、データについては物理的に所有しなくてもよい……といった考え方が主流だ。スマホやPC、外部媒体データを保存しておくならともかく、無限ともいっていい容量を持つクラウド上に頼りっきりなんていうのも時代の趨勢ゆえ、当然ではある。

物理的なメディアであるCDもSDDやHDDも、本も写真もフィルムもカセットテープも、物質である限り「劣化」は免れない。だが端末やデータはさまざまな原因によって、たやすく「消失」する。ネット上の情報も、数年で消えていくことが当たり前だ。

誰しも、自分が子どもの頃から家や学校にあった古い本や写真などに触れたことがあるだろう。しかし自分がスマホで撮影した写真は、画面上で眺めることはあっても、プリントして保存することは少ない。そう、現代は「記録・記憶が物として残らない」時代なのだ。

それでは次のページから、時代のご意見番としての面目躍如な両さんのお話をお楽しみください!!