レストランで残った食べ物を無断で持ち帰りましたけど、これってアリですか?
お嬢様 このあいだ連れて行ってもらったフランス料理のお店が美味しくて感動したんだけど、私ってものすごく小食でしょ?
松井弁護士 小職も小食なんだよ(注:小職とは、弁護士等が使う一人称)。
お嬢様 ……だから、お料理を持ち帰ったのよ。お店の人は忙しそうだったから声はかけなかったわ。
松井弁護士 ……渾身のギャグをスルーされた……気を取り直して……ここは、料理の提供の仕方によって責任の有無が変わってくるところだね。
お嬢様が行ったような高級フランス料理店では、提供される料理に対してお金を支払うわけだから、出された料理についてどうするかは、基本的にお嬢様に委ねられていると考えることができる(衛生上の観点から持ち帰りを一律禁止しているお店もあるだろう)。そのため、料理を盗んだという話にはならない。
では、「食べ放題」や「バイキング」のお店はどうだろうか。
この場合は、基本的に「決められた時間内、店内で」という条件がついていると考えるから、勝手に持ち帰ることはできない。
そうすると、仮に食べ放題エリアに食べ物が残っていたからといって、用意して持ってきた容器に、好きなだけ食べ物を入れて店を出れば、お店の食べ物を盗んだということで、窃盗罪(刑法235条)にあたる可能性も出てくる。また、そのやり方が悪質な場合は、偽計業務妨害罪(刑法233条)に問われる可能性もあるので、要注意だ。
みんなレストランでは、常識に従って、行動するようにしよう。
まとめ レストランでの持ち帰りは、原則問題ない
要点1 「食べ放題」「バイキング」などは勝手に持ち帰ると窃盗罪にあたる可能性がある
要点2 悪質な場合は偽計業務妨害罪に問われるかもしれない
要点3 衛生的な観点から持ち帰り禁止の場合もあるので確認するのがベター
刑法233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。













