カフェで10時間勉強しました。これって犯罪ですか?
お嬢様 私は勉強するならカフェ派よ。司法試験の勉強はどこでしてたの?
松井弁護士 僕も行きつけのカフェで勉強することが多かったよ。
お嬢様 長い時間、コーヒー1杯でずっと勉強していていいのかしら。前「混雑時2時間まで」という貼り紙を見たことがあるわ。
松井弁護士 たしかに司法試験の受験生がコーヒー1杯でずっと場所をとっていたら、カフェとしても儲からないよね。
基本的に、お店のルールはお店が決めていいことになっている。営業の自由があるからね。だから「混雑時2時間まで」というルール自体問題はない。もしお店側がそのルールを明示していれば、お客様はそれに従う必要があるよ。
仮にそういったルールが明示されていない場合はどうすべきか。
お店側から特に何も言われないのであれば、長い時間滞在しても問題ない。しかし、店内が混雑してきて、仮にお店側から退店を促されたら、むやみに抵抗するのはやめたほうがよさそうだ。
なぜなら、お店側には、そのお店をどう運営するかの決定権があるから、迷惑になっていると判断したお客様に対して退店を申し出ることができる。そして、それに従わず、お店側の営業に支障をきたすといった事態になれば、場合によっては、不退去罪(刑法130条後段)や威力業務妨害罪(刑法234条)といった責任を問われる可能性もある。
みんなが気持ちよく過ごせるように、常識の範囲で、カフェでは勉強するようにしよう。これも一つの社会勉強だ。
まとめ 店が決めて明示した時間制限のルールには従う必要がある
要点1 店からルールが明示されていなければ、長時間滞在しても問題ない
要点2 ただし、ルールが決められていなくとも、店は迷惑になっている客に退店を求めることができる
要点3 店側から退店を求められたときに従わないと、犯罪になる可能性がある
刑法234条
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。(前条=第233条虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。)













