「100年先まで語り継がれ、実践されて歴史に残ってほしい」
SNS動画のダンスや動きを真似てバズるこの現象をITジャーナリストの井上トシユキ氏はこう分析した。
「今回は『江戸』という時代がついているため、令和や平成など時代を変えた動きを勝手に作り出しやすかったり、語りやすかったりしたのも大きなバズりを生んだ要因でしょう。夜のバーの経営するパリピっぽい店のスタッフが『令和走り、やります』と、横揺れ(ダンス)とミックスしたようなダンスを生み出したり、『平成走り、昭和走り』などと変な動きをしているギャルもいました。
また、東大卒のふたりが話題の動画にコメントする人気アカウントでは、『実用性がない』と批判されながらも『エジプトのピラミッドの階段を降りる時には良いかも』などと語られました。それらの動画には大場さん本人も『取り上げていただきありがとうございました』とコメントを投稿するなど相乗効果を生み出していました」
「江戸走り」をバズらせた大場さん本人は「連日、テレビや新聞の取材を受けていて、とんでもないことになったと思っています」と笑う。膝痛は大丈夫なのだろうか。
「膝に痛みはないですが、さすがに疲れが溜まっており負担はかかっている感じがします。でも私は現在、江戸から京都までの東海道五十三次を江戸時代の走り方で走る検証をしようと計画中です。2027年、いや2028年には実践したいですね」
実は「江戸走り」という呼び名は大場さんが名付けたわけではないのだという。
「江戸の走りとは言ってきたのですが『江戸走り』と私が言い出したわけではなく、どなたかが名付けてくれて、それが広まった形です。今はただの個人芸にすぎないこの走りを、どなたかが生み出してくれた『江戸走り』というネーミングで、100年先まで語り継がれ、実践されて歴史に残ってほしいと願います」
すでにネットで2億回再生されている「江戸走り」は、1億年先までも残るかもしれない。
取材・文/河合桃子 集英社オンライン編集部ニュース班














