2度の逮捕歴、殺人未遂の容疑も…

面識のない女性を2日間にわたってつけ回し、マンションのオートロックも女性の後に続くことで突破。2人きりになったエレベーター内で刃物で複数回刺して殺害した容疑がかけられているこの事件。

社会部記者が解説する。

「神戸市役所から約300m離れた9階建てマンションの住人から『エレベーター内で男が女性を羽交い締めにしている』と110番が入り、駆け付けた警察官が6階のエレベーター前で女性が倒れているのを発見。

肺に達する複数の刺し傷や、抵抗時にできる防御創があり、搬送後に死亡が確認された。谷本は新幹線に乗って逃走し、2日後に東京都奥多摩町で逮捕された」

8月に殺人容疑で送検され、9月からは鑑定留置が続いていた谷本容疑者。

「11月中旬に兵庫県警はストーカー規制法違反と邸宅侵入、銃刀法違反の容疑で彼を追送検した。谷本は『好みのタイプの女性と思って後をつけた』と話し、これらの容疑を認めている」(前同)

谷本容疑者(写真/共同通信社)
谷本容疑者(写真/共同通信社)
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一方で殺人容疑については、冒頭のように刃物で刺した事実は認めながらも、『殺意を持っていたかはわからない』と供述しているという。

しかし谷本容疑者には、過去に2度、同様の事件を起こし逮捕されている。

「5年前、 神戸市内に住む女性につきまとい、女性の自宅マンション付近をうろつくなどしたことで、ストーカー規制法違反容疑などで県警に逮捕された。この時、谷本は罰金の略式命令を受けています。

また3年前には、当時23歳の女性に4か月間つきまとった後、女性がマンションのドアを開けた瞬間に部屋に押し入って女性の首を絞めるなどした殺人未遂の疑いで逮捕されている。いずれの女性も、谷本とは面識がなかったそうです」(在阪記者)

3年前の事件では、谷本容疑者が殺意を否認したこと、反省が考慮されたことで、傷害罪で懲役2年6カ月、執行猶予5年の判決を受けたが、判決文では、「再犯が強く危惧されると言わざるを得ない」とも言及されていた。

現場となったマンションの前には事件後多くの供え物が(撮影/集英社オンライン)
現場となったマンションの前には事件後多くの供え物が(撮影/集英社オンライン)