谷本容疑者の飲み仲間は…
一方で、「勤務態度はいたって真面目で取引先からのクレームもなかった」(同前)そうで、
「同僚が、『あいつは飲んでも仕事の話ばかりでつまらないんだ』と冗談交じりにこぼすくらい、とにかく仕事一筋という感じだった。あまり自分の話をしている様子はなかったが、『神戸の悪い奴と付き合いたくなくて上京したんだ』ということは言っていたね。今思えば、その悪い奴が本当に存在したのか怪しいものだけど……」(店主)
この飲み屋で谷本容疑者と知り合ったことをきっかけに、何度かヘアカットを担当したという美容室のオーナーもこう語る。
「彼はどちらかというと物静かで、自己主張をしないタイプ。飲みの場でちょっとした揉め事が起こった時にも、『いやいや、やめようよ』と仲裁してくれる“いい奴”という印象。どちらかというと、彼の周りのほうがヤンチャそうだったので、『本当に彼が?』と驚いた」
このオーナーが谷本容疑者を担当したのは、二度ほどだという。
「彼はもともとクセ毛で、頭頂部は長さを残しつつ、サイドや襟足を刈り上げるツーブロックのような髪型にしていた。毛量と長さを調整してすっきりしたいというのと、根本を脱色してほしいというオーダーで、ブリーチをしたと記憶しています。
施術中は、『最近飲んでる?』なんて、他愛ない会話を交わしていた。プライベートにはあまり踏み込まなかったけれど、飲み歩くのはいつも会社の人とだったし、女性関係はなさそうだなと感じていた」(同前)
これまで見知らぬ女性をターゲットに、犯罪を重ねてきた谷本容疑者。女性への強い執着心がうかがえるが、私生活では女性の影はなかったようだ。前出の店主もこう語る。
「実は今年に入ってから、うちで飲んだ後に会社の人たちと彼と一緒に何人かでガールズバーに行ったことがある。その時も彼は女性に対して積極的に話しかけることもなく、静かに飲んでいた。最後にうちに来たのは、事件の2週間ほど前。その時も、会社の人たちと4人くらいで来ていましたが、いつも通り楽しげに飲んでいて、特に変わった様子はなかったのですが――」
今回の事件の現場となったのは、3年前に殺人未遂事件を起こしたマンションのほど近く。彼はなぜこの場所にこだわり、再び凶行に及んだのか。谷本容疑者の勾留期限は12月11日まで。鑑定留置の結果を踏まえ起訴するかどうかが判断される。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班













