「ギャンブルをやったりとか金遣いが荒いとかはない」
事件の舞台となったのは東京大学医学部附属病院。ニュース週刊誌「Newsweek」が毎年公表している「よい病院の世界ランキング」日本版では、東京大学医学部附属病院は5年連続で1位に輝いている。
そんな名門病院の整形外科外傷診グループの医師で、同大学医学部准教授を務める松原全宏(まつばら・たけひろ)容疑者(53)=東京都台東区=を19日、警視庁捜査2課は収賄の疑いで逮捕した。
同日、贈賄の疑いで、東証プライム上場の医療機器メーカー「日本MDM」(東京都新宿区)の元営業所長の40代男性も逮捕されている。
松原容疑者の自宅の近隣住民は逮捕報道に驚きを隠せないようで、なかには「逮捕されたなんてあり得ない! あの人がそんなことするわけないでしょ! デタラメなこと言わないで!」と声をあげる人もいた。
「松原さんはいつも朝、自宅から自転車で東大病院に出勤されているのをよく見ました。ここら辺では、”東大病院に勤めるお医者様”として有名で、エリート一家として認知されています。お父さんも有名大学出身で松原さんの弟も医療系で働かれているそうで。奥さんと奥さんのお母様、そしてお子さん3人と住んでいまして、お子さんは3人とも私立の医学部に通われているとお伺いしています。相当な学費がかかっているのではないでしょうか。
腰はとても低く、挨拶をすればちゃんと返す礼儀正しい人でした。旦那さん(=松原被疑者)はとても謙虚な男性で、円満なご家庭だったのに……。金銭トラブルは聞いたことがなく、お金には困っていないはずでは。ブランド品をジャラジャラ身につけるような男性でもありませんでした」(近隣住民)
ただ、別の近隣の女性は「松原さんは大のゴルフ好きで、日曜の朝早くにはゴルフの格好をして出歩いていました。けれども自分でクラブを持ったりとか、自ら車を運転したりとかではないんです。誰かにいつもお迎えをさせていました。明らかに家族の人ではなく、仕事関係の人なんだなぁっていうのを感じていました」と証言する。
松原容疑者のある親族は、逮捕後、記者の取材にこう話し肩を落とした。
「仕事で何をしていたのかもわからない。取引先などからお金をもらっていたとか、一切知らなかった。特段、ギャンブルをやったりとか金遣いが荒いとかそういうのもなかった。接待に行っていたことで帰りが遅くなることもなかった」













