“大人向け市場”を開拓できなかったことも敗因に
戦隊シリーズと言えば、おもに5人の戦隊ヒーローが登場する。しかし2017年に放送された『宇宙戦隊キュウレンジャー』では、9人の戦隊ヒーローが登場するといった“キャラクターの多様化”もあった。
キャラクターが増えれば、玩具の種類も増え、売り上げアップにつながるといったことはないのだろうか。
「例えば『宇宙戦隊キュウレンジャー』の場合、シリーズ開始から前半における玩具の売り上げは、商品点数の多さから必然的に好調だったようですが、後半は勢いが失速してしまったため、結果的に大幅な売り上げ増にはなりませんでした。
というのも、商品点数が多ければ多いほど当然開発費もかさむので、結局コストに売り上げが追い付かないといった状態に陥りがちなんです」(多根氏)
さらに多根氏は、仮面ライダー玩具については大人が子ども時代の玩具や趣味を消費する“キダルト消費”が好調だが、戦隊玩具にはその需要がないとも指摘する。
「仮面ライダーは変身ベルトなど、いわゆる“なりきり玩具”をメインに売り出していますが、この変身ベルト玩具は子ども世代のみならず、大人世代からの需要もかなり高いんです。
バンダイは“大人の為の変身ベルト”として、わざわざ大人サイズに再構成したモデルを発売するほどなのですが、いっぽうの戦隊シリーズ玩具は、まず種類が多くてそろえるのが大変ということもあり、大人世代では熱心にコレクションする層がなかなかいないのが現実です。
大人世代の場合、商品点数が多ければいいというわけではなく、迷わずに買える、わかりやすいアイテムを欲しがる傾向にあり、“買いやすさ”を重視するので、戦隊シリーズ玩具は大人世代の需要をうまく取り込めていなかったということも玩具市場での敗因のひとつだと考えられます」(多根氏)
そんななか、11月24日には東映は「スーパー戦隊」シリーズに代わる新たな特撮ヒーローシリーズ「PROJECT R.E.D」の始動を発表。ヒーロー作品にとって貴重な収入源である玩具の伸び悩みという背景もあるなか、新たなヒーロブランドが今後どういった展開を見せるのか引き続き注目したい。
取材・文/瑠璃光丸凪(A4studio) サムネイル/Shutterstock













