なぜ戦隊だけ玩具の売り上げが低い?

では、なぜ戦隊シリーズ玩具は、ほかのヒーローものと比べて“一人負け”状態になっているのだろうか。

「スーパー戦隊シリーズは、1993年に『パワーレンジャーズ(POWER RANGERS)』というタイトルでアメリカでリメイクされ、その玩具の製造権は当初、日本のバンダイナムコにありました。パワーレンジャーズは世界的ヒットになり、玩具の売り上げも国内のシリーズと合わせると200億円を超え、現在の仮面ライダーやウルトラマンと比較しても肩を並べるほど順調な売り上げを確保していたんです。

しかし、2018年にアメリカの大手玩具メーカーであるハズブロが、日本と一部アジアを除く玩具の製造権を買い取ることになり、バンダイナムコはパワーレンジャーズ関連玩具の売り上げを大幅に失うことになりました。このことがきっかけとなって一気に売り上げが半減し、現在の“一人負け”状態になってしまったと考えられます」(多根氏)

POWER RANGERS(写真/Shutterstock)
POWER RANGERS(写真/Shutterstock)

ちなみにハズブロに権利を買収される前のバンダイナムコの2017年決算資料によると、パワーレンジャーズを含むスーパー戦隊玩具の全世界での売り上げは通期で210億円(国内のみの売り上げは88億円)となっており、いまの仮面ライダー、ウルトラマンの売り上げ水準と肩を並べていたことがわかる。

やはり米国企業に玩具など全般の権利を奪われてしまったことが、ほかのヒーロー作品との差を生む致命的な出来事だったようだ。

続けて多根氏はこう指摘する。

「仮面ライダーシリーズは、現在世界同時配信などに取り組んでいて、これから本格的に海外市場を開拓していくとみられます。そしてウルトラマンについても、中国での人気が近年高まってきており、海外市場を開拓しつつあります。

いっぽうの戦隊シリーズは90年代という早い段階から海外進出に成功していたわけですが、途中で海外の玩具市場の貴重な収入源を失ってしまったことが、かなり痛手となったと言えるでしょう」(多根氏)