東京・築地では「ここ1週間で中国語がほぼ聞こえなくなりました」
中国は高市首相発言を撤回するよう連日要求を続けている。駐日中国大使館は11月21日にはXで、国連憲章には第二次世界大戦で連合国の敵だった日本などが侵略に向けた動きを見せれば、中国を含む国連創設国は安全保障理事会の許可なく直接軍事行動をとることができるとの「敵国条項」がある、と主張した。
これに対し、日本外務省は23日に反論をXに投稿。中国が指す国連憲章の記述を“旧敵国条項”と呼びながら、「1995年(平成7年)の国連総会において、時代遅れとなり、既に死文化したとの認識を規定した決議が、圧倒的多数の賛成により採択され、中国自身も賛成票を投じています」と指摘。
「死文化した規定が未だ有効であるかのような発信は、国連において既に行われた判断と相容れない」と主張している。
こうした応酬について全国紙外報部記者は
「国連憲章を条文通り読むなら、創設国の一員として書かれている中国は中華人民共和国ではなく『中華民国』(台湾)じゃないかという反論もSNSで飛んでいます。
いっぽうで中国外交部の報道官は24日には、日本が南西諸島の防衛力強化を図っていることを『地域の緊張を意図的に作り、軍事対立を引き起こすものだ』と述べ、高市首相発言とも絡め非難の対象を拡大しています」と指摘する。
ただこの数日、中国側から新たな“制裁”は顕在化しておらず、言葉のジャブを繰り出して緊張を維持しつつ既に出した措置の効果を見ている気配だ。
「この中で、観光業への打撃を狙った訪日自粛要請に絡んでは、政府が発表した翌日の15日から18日までの間に日本行きチケット予約の32%に相当する約49万1000件の航空便のキャンセルが出たとの航空アナリストの話を香港紙が報じました。
また中国国際航空(エアチャイナ)が日本発着便を11月末から大幅に減らすとも伝えられています。中国の旅行会社は当局の自粛要請を聞いてすぐにツアーの取り消しを始め、航空会社もすぐにその意向を汲んだということでしょう」(前出・外報部記者)
その影響は11月22日から24日の3連休にどうあらわれたのか。
東京・築地で、インバウンド客の「食べ歩き」を狙って、路上に中国語の看板を掲げる飲食店の男性店長Aさんは、いつもと違った現状を嘆く。
「ここ1週間で中国語がほぼ聞こえなくなりました。やっぱり高市さんの影響だと思います。ただ、もともと今はオフシーズンで中国の方は多くない時期なので、売上げにはそこまで影響していません。ですが、来年のオンシーズンになると、話は変わってくるのかなと思います」
いっぽう、浅草で人力車を引く男性Bさんも「この1週間でツアー客は確実に減っています。明らかに中国人観光客だと思う声の大きい集団がこれまでいましたが、さっぱり見なくなりました」と連休中の客層の変化を話した。













